July 04, 2011

* 『ぶらぶら美術・博物館』で山下清の作品を知る

明日にはまた放送があるのですが、ようやく6月末の放送が見られました。

今回のテーマは、「放浪の天才画家 山下清展」です。確かに、ドラマなどで「山下清という画家がいた」ということは知られていますが、どんな作品を作っていたかまでは、知っている人は少ないと思います。私もその程度の知識しかありません。

15年近く前、大阪に住んでいた時に、近所で「山下清展」というのが開催され、見たことはありました。でも、思い出してみると、(確か)きちんとした解説がなく、ただ作品を見ているだけ、になってしまいました。

でも今回は、山田五郎さんだけでなく、山下清の甥である(しかも晩年の清と一緒に暮らしていた)山下浩さんの解説もあり、とても充実した内容になりました。

番組では、清の作品を年代順に紹介しています(恐らく展覧会もそういう形式なのでしょう……)。貼絵を始めたばかりの、虫を題材にしたシンプルな作品から始まります。山下浩さんの解説によると、養護学校で友人がいなかった清にとって、虫が友達だったそうです。でも、学校での生活に慣れるにつれ、彼の世界が広がり、合わせて絵の題材も多様になり、人間の姿が出てきます。

山田五郎さんも指摘していたのですが、機械や車の描写が細かいことから、人間よりも機械や車に興味を持っていたのが分かります。作品の舞台が学校を飛び出して広がっていくのも、清の成長を一緒に体験しているようで面白かったです。山下浩さんの解説もあって、本当に分かりやすい内容でした。

代表作である、長岡の花火を描いた作品は、サイズも大きくもちろん描写も細かく、まさに根気の必要な作業の結晶です。色使いや雰囲気は、確かに印象派やゴッホを思わせます。

折り紙などを材料にしていたため、作品には褪色しているものがあります。台紙や折り紙が乾燥などで変化してしまっていることもあるそうです。そのため、オリジナルの色彩や状態を修復する試みも行われているそうで、修復された作品も展示されていました。

最後のほうで山田五郎さんが、正規の芸術教育を受けず、派閥などにも属さなかった山下清の作品が芸術として認められていないのが問題、と言っていました。最近読んだ佐々木俊尚さんの『キュレーションの時代』にあった、「アウトサイダーアート」を思い出しました。山下清の名前はかなり知られていますが、彼の作品は「アウトサイダーアート」なのかもしれません。

相変わらず出演者は、茶化すことなく純粋に芸術鑑賞を楽しみ、ドラマでしか知らなかった「山下清の世界」も、生前の彼を知る山下浩さんの解説のおかげで、かなり広がりました。これは本当に、見て損はない! という放送です。こういう興味深い番組が、地上波で放送されないのが残念です。

そして、今回の放送内容は、こちらで紹介されています。

uriel_archangel at 23:57 | 日々の記録 
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