August 06, 2011

* 「音の出しにくさ」がもたらすもの "Aus Liebe will mein Heiland sterben"

久々に古楽の話です。私は、J.S.Bachの《マタイ受難曲》がとても好きです。好きな曲はたくさんあるのですが、最近気になるのが、タイトルに入れているソプラノのアリア、"Aus Liebe will mein Heiland sterben"です。



この映像で、2分くらいから演奏が始める音楽です。

実は、この演奏を見ていて思ったことがあります。
「――この曲、トラヴェルソは演奏しにくい調や音なのかな?」
ということです。ものすごく響きが悪いというか、音が詰まったような感じがします。

あと、ツィンクでしょうか? ちょっと曲がった感じのする楽器も、やはりすんなりと音が出ている感じではありません。何しろこれだけの演奏ですから、「演奏者の技術が足りない」というのが、そう聞こえる理由だとは思えません。

見ていて辛そう、と言うと語弊がありますが、ものすごく苦労して、一生懸命に音を出している感じです。

――もしかして、これがバッハの狙いなのかな? と思いました。その楽器の出しやすい調や音で朗々と奏でるのではなく、敢えて出しにくい音を使って、苦労して演奏させるのです。そういう演奏のほうが、歌詞の持つ意味(『何の罪もない救い主が、私の身代わりとなって十字架にかけられた』というような意味です)を、聞く者により深く伝えるのではないでしょうか。

これは、「演奏しにくそうだなあ」と勝手に私が感じたことから書いているので、「大外れ」の考察である可能性はありますけれど。

uriel_archangel at 23:59 | 日々の記録 
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この記事へのコメント

1. Posted by 藤田伊織   October 17, 2011 14:16
昨年の3月に生まれて初めてマタイ受難曲を聴きました。放送やCDを含めて、本当に初めて効きました。それも演奏会で。青木洋也さんの指揮とアルト、藤崎美苗さんのソプラノ、そしてすばらしい人たち、の演奏で、場所は新宿の淀橋教会でした。美しくてダイナミックで悲しくて、とても感動しました。特に、アウス・リーベは大好きになりました。つらい曲です。でも、とことん美しい。自分でも、自分なりに音にしてみたくなり、mp3にしました。



http://www.geocities.jp/imyfujita/vocaloid/musicofvocalord.html

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