October 15, 2012

* 自分より優秀な部下を上手く使えるか

――って、大事なことだなあ、と思います。

仕事柄、ナチス時代のドイツに関する映像を扱うこともあります。数年前に、仕事の資料として本(数は多くありませんが)やWebサイトをあちこち見ているときに、そう思ったのです。どこで読んだかは記憶があやふやなのですが、

「ここでヒトラーがこの人の意見を取り入れていれば、ドイツ軍勝ってるよ」

という局面が、何度もあるのです。ただこれは、「○○の戦い」とか「○○作戦」、せいぜい東部戦線・北アフリカ戦線というレベルでの話であって、第二次世界大戦全体で勝てたかどうかは分かりません。(また、ドイツ国防軍に限定しての話なので、ユダヤ人虐殺など人道的な犯罪とはまた別の問題になります)

で、どうしてそういう意見を容れなかったかというと、ヒトラーが自分の意見に固執するから、なのですね。上層部でも総統のご機嫌取りをする人物は、無批判に彼の意見を正しいとするでしょうし。

総統と言ったって軍隊で下士官どまりだったんだから、将官にもっと任せればいいのに、と思うのですが、そういうところで手を出す口を出す、だから独裁者なのですよね。こうやって何十年も経って振り返ってみると、「だから負けたんだよなあ」と納得します。

反乱を企てた人物もいましたが、プロイセン軍の伝統で「司令官の命令には絶対服従」というものがあり、優秀な軍人でもヒトラーの命令に従っていたそうです。マンシュタインがそういう人物にあたります。この「司令官の命令には絶対服従」は、戦後、西ドイツ軍の創設にあたり、反省材料となったそうですが。

ともあれ、組織や活動のスケールが大きくなってくると、自分より優秀な人間が部下になる、という日がやってきます。そういうときにその人物をどういうふうに遇するか、意見が対立したときにどう対処するかが、さらに拡大できるか、ある程度のレベルにとどまるかの分かれ目なのだろうと思います。

こういう話をどうして思い出したかと言うと、昨日このツイートを見たからです。


私は、「こういうグループって、結局トップの力量程度の規模にしかならないよね」と思っています。そこをうまいこと超える(超えてしまう)のが独裁者なのでしょうが、歴史を見る限り、結局は瓦解し、消滅します。

ナチス時代のドイツを思い出したのは、私が自分の経歴上、独裁者と言えば……で思い出すのが彼だから、というだけです。

普通に生きている人間は、そういう「自分より優秀な人物が部下になる」ときのことを心配しなければならないことはそう多くなく、たいていの場合は「この頼りない手勢で、物事をどう上手く運ぶか/彼らをどうすればきちんと働けるようにできるか」が悩みどころになります。

まあ、自分自身のこととして考えてみると、「自分の欠点をどうカバーするか」が向上のポイントなのでしょう。

uriel_archangel at 22:59 | 仕事 
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