March 30, 2013

* ルーベンス 栄光のアントワープ工房と原点のイタリア

今回も、息子の部活の休み(平日)を使って行きました。実は、息子が興味を持つか分からないし、1人で行こうかと思っていました。でも、テレビでCMを見かけたらしい息子が「行きたいなあ」と言ったので、連れて行きました。

今回は、展覧会のサイトで、いつもオンラインチケットを購入しているe-tixへのリンクが見つからず(帰宅後によくよく見たら、ちゃんとあったのですけれど……)、他のシステムの会員手続なども面倒なので、セブンイレブンのマルチコピー機を使って購入しました。

なぜセブンイレブンかというと、家から一番近いコンビニだからです。ちゃんとセブンコードを記録しておけば、「これは何の分類だ?」と苦労することもありません。支払にはクレジットカードも使えるので、プリンターがない環境で「展覧会に行こう!」と思い立ったときには、便利だと思います。

ただ残念だったのは、オンラインチケットだと半券がもらえるのですが、セブンイレブンではチケットが発券されるので、展覧会オリジナルの半券は手に入らない、ということです。

ともあれ、今回も音声ガイドを借りて見学開始です。以前はほとんど音声ガイドを使っていなかったのですが、ここ数年は、鑑賞に役立つ情報がこの金額で手に入るのはお得! ということで、積極的に使用しています。

ルーベンスと言えば、日本では『フランダースの犬』で主人公のネロが見たいと思っていた、アントワープの大聖堂の祭壇画が有名です。ルーブル美術館の連作『マリー・ド・メディシスの生涯』を思い浮かべる人もいるでしょう。

当然ながら(?)、そういう「大きい! 有名!」という作品が展示されているわけではありません。ですが、彼の作品を様々な切り口から見ることができます。例えば、イタリア滞在中に彼がどんな影響を受けたか、そしてそれに加えた「ルーベンスらしさ」とは何か。

展覧会のタイトルの通り、今回は彼の工房のシステムが紹介されていました。一般的な展覧会だと、「なーんだ、ルーベンス本人じゃなくて、工房の作品か」となってしまうのですが、彼ほどの人気で、しかも画家以外の仕事もある身では、工房で効率よく作品を作ることがあっても仕方ないというか、当然のことです。

仕上がりのバラつきを防ぐために、重要な部分は彼が手を入れていたのですが、依頼主によっては(恐らく金銭面の兼ね合いもあったでしょう)手を入れなかった・優秀な弟子には完全に任せていただろう、という話には、「そうだろうなあ」と納得です。制作の手本となる下絵というか、元になる絵などの展示は、エル・グレコ展でも似たようなものを見たなあ、と思います。

彼の工房で制作された版画も、興味深かったです。彼自身の手による見事なエングレーヴィングもありました。興味深かったのは、版画家が起こした絵にルーベンスが修正の指示を出し、最終的にどのような絵になったかが分かる作品です。プランタン・モレトゥスの印刷博物館所蔵の版画が多くありました。

ヴァン・ダイクなど工房の弟子たちの作品もありましたが、外注していた画家もいたり、植物や動物を描くのが得意な画家と共同制作をしたりと、作品は「画家自身の芸術的表現」というより「その作品を所有する人を満足させるもの」なのだなあ、という感じがしました。これは音楽でもそうですが……。

世界各地の美術館の所蔵品が一堂に会する、興味深い展覧会でした。この後、北九州・新潟で開催されるそうです。

uriel_archangel at 15:51 | 講演会・展覧会 
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1. Posted by dezire   April 15, 2013 06:11
4 こんにちは。
私もルーベンス(栄光のアントワープ工房と原典のイタリア)展に行ってきました。
作品展で観た作品を思い出しながら、ブログを読ませていただきました。
今回の作品展で私は、「聖母子と聖エリザベツと幼い洗礼者ヨハネ」と
「復活のキリスト」が何か作品に温かみがあり、好きになりました。

私も今回展示されていた代表的作品を通して、ルーベンス美術の魅力を私なりにまとめてみました。
よろしかったら、ぜひ一読してみてください。ご感想、ご意見などどんなことでも結構ですから、ブログにコメントなどをいただけるとうれしいです。

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