January 06, 2011

* 海外の大学(学部)に進む優秀な生徒が増える……はず

数日前にTwitterに書いたことについて、このブログでちょっと補足しようと思う。

このtweetのきっかけになったのは、日経ビジネスオンラインの、『東大ブランドは世界には通用しない 灘高トップはエール大学を選んだ』という記事だ。

私は、これは別に驚くことでもなんでもない、と思っている。優秀な高校生が、進路の選択肢に海外の大学を入れるのは、自然な流れだ。

ここで私の言う「優秀な高校生」というのは、いわゆる東大合格者が多い進学校に通う生徒だけを想定しているのではない。「大学で学びたいこと」と「卒業後の進路」を具体的に意識し、広い視野で今までの『常識』にとらわれずにものごとを考えられる人物だ。

確かに進学校のほうが、こういう生徒が出る確率は高いとは思う。自分の経験から、進学校には良くも悪くも「常識にとらわれない考え方」ができる優秀な(この場合は『勉強ができる』)生徒がそれなりにいると思われるからだ。

さらに、進学校のほうが、海外の大学を選ぶ際に有利な要因がもうひとつある。それは英語の運用能力だ。海外からの帰国子女で、現地校でそれなりの年齢まで学んでいた、というようなバックグラウンドがあればともかく、日本で生まれ育ち、(普通の公立校で)日本の学校教育だけを受けてきたという状態では、18歳で海外の大学に進学し、(英語に限らず)外国語だけで行われる授業に参加するのは難しいだろう。もしかしたら、せっかく海外の大学に行っても、付属の外国人のための語学コースでおしまい、になってしまうかもしれない。

私自身は留学経験はないのだが、恐らく、教科書や課題図書を大量に読み、ディスカッションに積極的に参加しなければならないはずだ。だとすると、学校で課される以上のことを学ばなければならない。積極性も要求される。これは私自身の経験だが、語学学校への短期留学でも、発言のタイミングを逃して「聞き役」ばかりになってしまうと、「この人は何も考えていない人だ(=バカだ)」と思われてしまう。

こう書くと、進学校では留学しても使える外国語教育を行っているのか、と思われるかもしれないが、そんなことはない(はずだ)。だが、比較的学ぶ内容が多いので、本人が努力すれば、留学先でのハードルを下げることができる。

ただし、非進学校だとこういうことができないかというと、そんなことはない。通っているのがどういう学校でも、「本人の努力しだいで」克服できると思う。非進学校だと、「海外の大学に行こう」という考え方がどう受け取られるかは分からないが、周囲に反対されて断念、という可能性があるだろう。一方で進学校は、生徒の自主性に任せる(=面倒見が良くない)ところが多いので、「大変かもしれないけれど、頑張って」で終わる可能性が高い。

一番大きなハードルと思われるのが、現地の言葉(多くの場合は英語になるだろう)の運用能力なので、このことについてあれこれと書いてしまった。

日本の経済が右肩上がりで、日本の企業に就職すれば将来は安泰、という時代であれば、日本の大学から日本の企業に就職する、という選択肢は、堅実だったかもしれない。しかし今は、日本の経済状態は良好とは言いがたいし、日本の企業の世界的な地位も、20年ほど前に比べると、明らかに低下している。さらに言うと、失礼ながら、昔から、日本の大学の存在感があったとは言いがたい状況だ。

日本の大学を出て日本の企業に就職する、日本語しかできない……となると、あらゆる面で市場規模が小さくなり、雇用も限られている日本国内で、少ないパイを求めて競争しなければならない。「いい仕事」は日本語+外国語(最低1つ)ができる人材(しかも日本人とは限らない)に持って行かれるだろうから、ますます条件は悪くなり、競争は厳しくなる。

それならば、もっと視野を広く持ち、大学も就職先も日本にこだわらないほうが、選択肢がぐっと広がる。雇用の条件も、日本国内と同じようなものもあるだろうが、良いものはもっと増えるだろう。

もしも中学生・高校生がこのブログを読んでいたら、高校卒業後すぐでなくてもいいので、海外への進学を積極的に考えてもらいたい。これまでの常識にとらわれず、周囲の言いなりにならず、自分で情報を集め、自分で考え、自分の将来を決めたほうがよい。

uriel_archangel at 13:19 | 日々の記録 
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