June 26, 2014

* IJET-25に参加しました 前編

何度も思わせぶりにタイトルには登場していたものの、内容には触れていなかったIJET-25の個人的まとめです。1回にまとめて書くか、2回に分けるか考え中です。タイトルに「前編」と入っていたら、「ああ、話が長くなったんだなあ」とお考えください(笑)

日程は、6月21日(土)・22日(日)でした。息子の学校は土曜日も授業があるため、朝は基本的に平日どおりです。そこで、息子の登校後にバタバタ準備をして出発! しました。無事、遅刻せずに会場に到着しました。基調講演の会場のホールに入るとき、先着200名へのプレゼント(最後の1個!)をいただきました。IJETと入っている金太郎飴です。写真がなくてすみません……。

基調講演は、村岡恵理さんによる「村岡花子−『赤毛のアン』翻訳に託した未来への希望」でした。私は連続テレビ小説の原案となっている『アンのゆりかご』を読んでいないので、たいへん興味深いお話でした。

確かに、東洋英和でカナダ式の教育を受け、キリスト教をきちんと学んだことは、『赤毛のアン』の翻訳に大いに役立つというか、物語の世界を身近に感じられたのではないかと思います。また、彼女が在学した当時のカナダ人婦人宣教師たちが、ちょうどL・M・モンゴメリと同年代の女性たちだったそうです。

さらに、村岡花子は歌人の道を考えるくらい短歌を本格的に学び、英文学(テニスンの詩を愛読していたそうです)だけでなく国文学の基礎もしっかりと身に付けていました。自分のノートを振り返ってみると、「短歌の『日本語を選ぶ』感覚→翻訳の基礎」と書いています。

「良質な家庭文学を」という、当時は軽んじられていた家庭文学に対する彼女の思い、女性が働くことに対する社会の偏見etc.、村岡花子や彼女が親しく交わった人々は、まさに最前線で正面から格闘していました。適性語の作品の翻訳を、戦争中の明日の命も知れない、陽の目を見るかどうかも分からない状態で続けるというのは、なみたいていの覚悟ではできないと思います。

彼女が翻訳作品を生み出すまでに身に付けた知識を思うと、自分は本当に「まだまだまだ……」と実感します。確かに、インターネットなどでいろいろなことが調べられる世の中ですが、やはり文学の素養は自分の血肉としなければならないものです。

ところで、私自身は、村岡恵理さんは『花子とアン』に違和感を感じるところはあると発言されていましたが、それ以上踏み込んだ不満や批判は、はっきりとはおっしゃっていなかったと思いました。「原案」なので見守っているというか、なんというか、「大人の対応」をされているなあ、と思いました。あのお話を「不満」と解釈するのは、自分の思いに引き寄せすぎていて「深読みしすぎ」ではないかと思います。

――とりあえず、そういうふうに解釈した人間もいる、ということを書いておきます。

お昼はネットワーキングランチで、JATENT(エンタメ系翻訳グループ)の部屋にお邪魔しました。2度目(3度目?)の人もはじめましての人もいます。そして、英→日だけでなく、日→英の翻訳をしている外国人の方も何人かいました。こういうときに、SNS用名刺が活躍します。

そして、お昼休みに人と話し込んでしまい、きっちり午後イチのセッションに遅刻してしまいました。井口耕二さんの、「翻訳業界の未来とそのなかで翻訳者が取りうる道」です。注目の高いセッションだったので大盛況で、立ち見となってしまいました。重くて苦労しましたが、Moleskinだったので、なんとか最低限のことをメモできました。

「単価の高い人のほうが低い人より収入が多い」「作業スピードが速い人のほうが遅い人より収入が多い」というのはそれぞれ当たり前の話です。そして「収入に与える影響は単価>スピード」ということで、スピードアップは「誰でもこのレベルに達する」というものでもないから、単価を上げようという結論になります。

この後、自分の仕事について、以前からの知り合いの方にちょっとお話したところ、要は私のワークスタイルが業界の現在の状況に合っていないところがあるというアドバイスをいただきました。まあ、そういう中でも自分の強みを活かすために、どう動くのがいいか、という話ですよね。

この次が、日向清人さんの「コミュニケーションとしての英文ライティングを再考する」です。これも参加者の多いセッションでした。

この類のお話を聞くと、日本人の外国語によるコミュニケーションでの一番の問題は、英語の運用能力ではなく、「外国人が納得できる話の展開ができるか」に尽きるなあ、と思います。私は個人的には、英語を小学生から勉強するよりも、日本語でいいから「外国人に理解される話の組み立て方」を学んだほうがいいと思っています。

これは私自身も、語学学校への短期留学程度の経験しかないので、きちんと身に付いているかどうかと言われると、「構成がいいか悪いかの判断はできるが、実際にきちんとした構成で組み立てられるかは別の問題」という状態です。

1日目最後のセッションは、Mr. Alexander O. Smithの"Dancing in a Straitjacket: Making restrictions work for you in entertainment translation"です。こちらはこれまでの2セッションとは異なり、あまり大きくない会議室が会場でした。

英語のセッションは、だいたいのところは分かるのですが、オチをポロポロッと早口で言われると、「なんか面白いことを言ったんだろうなあ」とは思うのですが、具体的なところが聞き取れません……。外国人の参加者が多いこともあり、質疑応答も活発で、たいへん興味深い内容でした。

なんというか、外国語→日本語もいろいろな制限の中で取り組まなければならないのですが、日本語→外国語もそういう状況は同じだなあ、と思いました。日本人が「そのジョークが面白いのか!」と頭をひねるようなことは、外国人にもやはりあります。笑いのセンスだけでなく、この前のセッションにも重なるところがありますが、「話の流れが納得できるものか」というところもあるのではないかと思いました。

この後はネットワーキングディナーでした。実は、最後のセッション終了後にリフレッシュメントルームで食べたお菓子(美味しかったです!)が効いていて、ディナーの前半1時間くらいは空腹にならず、いろいろな人とお話したり名刺を交換したりしていました。8年ぶりにお会いした方も、15年くらい前からお名前を知っていて今回初めてお会いした、という方もいらっしゃいました。

ここでもSNS名刺は大活躍でした。アイコンの絵が好評なので、親ばかとしても嬉しい限りです。息子本人は、「まだあの絵使ってるの」という感じみたいですけれど。

ディナー後半になった「お腹が減ったかな〜」と思ったので、適当に料理を食べたら結構あっさり満腹になりました。ディナーの時間は、ほとんど立ちっぱなしだったので、とっても疲れました。そして、記念品の金太郎飴で幸運を使ってしまったのか、セイコーインスツルの電子辞書(デイファイラー)は当選しませんでした。自分で買わねば……。

――ということで、きっちり1日目だけでダラダラ語ってしまいました。2日目は改めて書きます。

uriel_archangel at 17:08 | 講演会・展覧会 | 仕事
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