June 13, 2017

* ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 BABEL 16世紀ネーデルラントの至宝 ―ボスを超えて―

ようやく行けました。朝イチで行ったので、そんなに並ばずに入場できました。……と言っても、私の基準は「鳥獣戯画」展なのですけれど。

今回の展示は、ブリューゲルだけでなく、影響の大きかったヒエロニムス・ボスの作品やその模写(木版画など)、当時のネーデルラントの彫刻、絵画なども紹介しています。こうやって振り返ってみると、目玉はブリューゲルの『バベルの塔』でしたが、ボイマンス美術館所蔵の作品をじっくり鑑賞するよい機会になったと思います。

「北方の絵画は油彩で、サイズも大きくないし描写も細かいから、単眼鏡を持っていこう〜」ということで、先日購入した単眼鏡を持っていったのですが、思った以上に活躍してくれました。それほど小さな作品ではなくても、人が多くて近寄って見られないときは、少し離れた場所(人垣の後ろ、というくらいの場所です)から細かい部分を単眼鏡で鑑賞できました。

あと、単眼鏡は視野が限られるので、その場所を集中してみる、という効果があるなあと思いました。ヒエロニムス・ボスの《放浪者》の絵で、解説になかったのでおそらく意識していなかった、建物の陰で用を足している人物がいることに、単眼鏡で細部を見ていて気づきました。

ボスの《聖クリストフォロス》は、宗教画の周囲に彼の得意とする不思議なモチーフがちりばめられていて、興味深かったです。以前にも書いた覚えがありますが、ボスやブリューゲル(そのほかボスに影響を受けた作品)で描かれる実在しない生き物には、画家の想像力が存分に発揮されていて、とても楽しめるのです。

実は、マスコットキャラの「タラ夫」がいる《大きな魚は小さな魚を食う》を見るのも楽しみにしていました。むかーしむかし、ドイツ語学校に行ったときに、ブレヒトの『三文オペラ』のメッキーメッサーの歌(Haifischの歌)やそれに関する文章が教材に使われたのですが、そのときにこの絵も授業で見たのです。

そして最後に、《バベルの塔》です。20年以上前に、ウィーンの美術史美術館で、これとは違う《バベルの塔》を見たことがあります。今回来日している作品以前に描かれ、サイズは大きいですが、ボイマンス美術館の《バベルの塔》は、それを踏まえてさらに構想をふくらませたもの、という感じがしました。

前の列は、立ち止まらずに歩きながら鑑賞するので、改めて少しはなれた場所からじっくりと見ました。このときも、単眼鏡を使って、巨大な塔のあちこちで作業する人の細かい様子を見ることができました。どんな展示会でも持っていくと使える場面がありそうです。ミュシャの《スラヴ叙事詩》も、これがあれば細かい部分が見られたかなあ、と思います(持っていかなかったのです……)。

図録も魅力的でしたが、絵葉書だけ購入しました。

最後に、美術館から足をのばして、も見学しました。私はしなかったのですが、タブレットで顔を撮影して登録すると、塔の中で働く人が自分の顔になるそうです。プロジェクションマッピングも、とても興味深いものでした。

uriel_archangel at 11:57 | 講演会・展覧会 
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