タピスリー
June 23, 2013
貴婦人と一角獣展
やっと見に行きました。予想以上に、老若男女、さまざまな人が訪れていました。もっと早い段階の、あまりメジャーにならないうちに、じっくり見学できれば……というところです。
――とは書きましたが、じっくり鑑賞できない、というほどひどい混雑ではありません。作品の規模が大きいので、遠くから見たり、近くから見たり、じっくりと鑑賞できます。
今回も、というか今回こそ、音声ガイドを装備して鑑賞に出発! でした。図像学というか、この時期の作品を十分に理解するには、描かれているものが何を象徴するかという解説が必要だなあ、と思ったからです。
会場を入ってすぐに円形(?)の展示室があり、そこに6枚の連作タピスリー《貴婦人と一角獣》がぐるりと展示されています。音声ガイドを聞きながら何が描かれているかを理解しつつ、五感を象徴する5枚のタピスリーから、最後の《我が唯一の望み》まで見学しました。
隣の部屋では高精細のデジタル映像で、タピスリーがじっくりと見られます。作品保護のため、タピスリーの展示室はあまり明るくありません。そのぶん、この映像で詳細な描写が見られます。
さらにその後は、描かれている動物(空想の生き物含む)や植物について、当時の服飾品、身分の高い女性の描かれ方、同時代のタピスリーなど、《貴婦人と一角獣》の理解に役立つ展示を見ます。
うれしいのは、この後、もう一度《貴婦人と一角獣》の展示室に入って、作品が鑑賞できることです。中世美術をまったく知らないというわけではないので、「実在の植物が描かれているのだろうなあ」などと考えながら見ていましたが、色々な知識を入れた後で、解説なしで作品の前に立つことで、また違った自分なりの味わい方ができると思います。
音声ガイドで、最初と同じ部分の『マルテ・ラウリス・ブリッゲの手記』の朗読が最後に入っていたのも、また新たな気持ちで作品の前に立つ、という感じがしてよかったです。
いつもは「収納場所が……」「出費が痛い……」と理由をつけて購入しない図録ですが、今回はさすがに入手しました。
《貴婦人と一角獣》は、次に日本に来ることがあるかは分からないというくらい、貴重な作品です。さらに、中世ヨーロッパの美術品(工芸品)の最高傑作の1つに数えられます。私は、「これはパリのクリュニーに行かなければ見られないものだ」と思っていました。
なので、ちょっとでも中世ヨーロッパや美術に興味のある人は、見に行って損はない、という展覧会だと思います。
――とは書きましたが、じっくり鑑賞できない、というほどひどい混雑ではありません。作品の規模が大きいので、遠くから見たり、近くから見たり、じっくりと鑑賞できます。
今回も、というか今回こそ、音声ガイドを装備して鑑賞に出発! でした。図像学というか、この時期の作品を十分に理解するには、描かれているものが何を象徴するかという解説が必要だなあ、と思ったからです。
会場を入ってすぐに円形(?)の展示室があり、そこに6枚の連作タピスリー《貴婦人と一角獣》がぐるりと展示されています。音声ガイドを聞きながら何が描かれているかを理解しつつ、五感を象徴する5枚のタピスリーから、最後の《我が唯一の望み》まで見学しました。
隣の部屋では高精細のデジタル映像で、タピスリーがじっくりと見られます。作品保護のため、タピスリーの展示室はあまり明るくありません。そのぶん、この映像で詳細な描写が見られます。
さらにその後は、描かれている動物(空想の生き物含む)や植物について、当時の服飾品、身分の高い女性の描かれ方、同時代のタピスリーなど、《貴婦人と一角獣》の理解に役立つ展示を見ます。
うれしいのは、この後、もう一度《貴婦人と一角獣》の展示室に入って、作品が鑑賞できることです。中世美術をまったく知らないというわけではないので、「実在の植物が描かれているのだろうなあ」などと考えながら見ていましたが、色々な知識を入れた後で、解説なしで作品の前に立つことで、また違った自分なりの味わい方ができると思います。
音声ガイドで、最初と同じ部分の『マルテ・ラウリス・ブリッゲの手記』の朗読が最後に入っていたのも、また新たな気持ちで作品の前に立つ、という感じがしてよかったです。
いつもは「収納場所が……」「出費が痛い……」と理由をつけて購入しない図録ですが、今回はさすがに入手しました。
「一角獣」「植物と動物」「衣服と装身具」「紋章と標章」「中世における五感と第六感」「1500年頃のタピスリー芸術」というテーマにそって読み解いていきます。こういう分野の専門的な文章を読む機会というのは、なかなかありません。それと、中世のものの考え方というのは今と違うので、それを知る手がかりになれば、と思ったのです。
出品作品および参考図版をオールカラーでお楽しみいただけます。
クリュニー中世美術館館長執筆の論文を含む、読み応えありの論文も4本掲載されています。
《貴婦人と一角獣》は、次に日本に来ることがあるかは分からないというくらい、貴重な作品です。さらに、中世ヨーロッパの美術品(工芸品)の最高傑作の1つに数えられます。私は、「これはパリのクリュニーに行かなければ見られないものだ」と思っていました。
なので、ちょっとでも中世ヨーロッパや美術に興味のある人は、見に行って損はない、という展覧会だと思います。