ハプスブルク

November 20, 2019

* ハプスブルク展―600年にわたる帝国コレクションの歴史

マドリッドやブリュッセル(ここにアムステルダムも入れた方がいいかな?)で美術館に行ったことのある息子が見るべき展覧会はこれ、ということで(私が決めました)、行ってきました。

東京都美術館「コートールド美術館展」とどっちがいい? と聞いたところ、ハプスブルクを選んだのです。印象はも嫌いではないので、ちょっと意外ではありました。そして会期を考えると、ハプスブルクは後でもいいのになあ、と思ったりして。

ともあれ、まだ始まって間もないからか、それほどの混雑ではありません。

ウィーンの美術史美術館はそれほどメジャーな存在ではないと思っているのですが(ものすごく素晴らしい作品ばかりなんですよ!)、やはりウィーンはファンが多いのか、意外と人がいるなあ、という印象です。ハプスブルク家は、有名どころにマリー・アントワネットやシシィがいますからね。

展示は、ハプスブルク家の長い歴史とともに、関連する作品を紹介していきます。最初のほうには、「中世最後の騎士」として有名なマクシミリアンI世のさまざまな甲冑がありました。馬上槍試合用の甲冑と徒歩での槍試合用の甲冑があって、後ろからも見られることもあって、構造の違いを見たりしました。

こうやってあれこれ展覧会を見ていると、「あ、こういうのはあのときに見たな」というのが出てくるのですが、今回は「神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展」がそれでした。ハプスブルク家の人物なので、当然のことではありますが。当然ながら彼は、重要なコレクターとして紹介されていました。

ヨーロッパでは珍しい動物の絵があると、「そういえばそういう動物を集めた動物園みたいなものを作ったって言ってたなあ」と思ったりします。そういう、過去に見た展覧会とつながっていると思えるのが、面白いところです。

今回の展覧会は、ヨーロッパ各地の著名な作品が揃っていたのがとても印象的でした。ハプスブルク家がフランドルを治めていた時代にイギリスで革命が起きて、それがきっかけで貴重な絵画を入手したり、トスカーナ大公となった人物がイタリアの絵画を入手したりと、長い歴史と領土の拡大が幸いして、あちこちで作品を手に入れていたことが分かります。親戚同士で互いに足りないものを補うために、所蔵品の交換をしたこともあったそうです。

中世末期から20世紀初頭にいたるまでの、ヨーロッパの歴史を感じさせる展覧会でした。あと、Twitterでもちょっと書いたのですが、グッズにシシィのチケットケースがあり、中を見たところ、フランツ・ヨーゼフ1世の肖像画も使われていました。でも、今回来ていたのは晩年の姿だったので、そこにはシシィに合わせて、若い皇帝としての肖像画を使ってほしかったなあ、と思いました(そういう絵が来てないから無理なんだというのは分かりますが)。

そうそう、音声ガイドを今回も聞いたのですが、素晴らしかったです。花總まりさんは、マリア・テレジアを演じるときは落ち着いた中年女性の声、マリー・アントワネットでは若く華やいだ女性の声と、見事に演じ分けていました。梅原裕一郎さんも落ち着いた声で、素晴らしかったです。お二人でフランツ・ヨーゼフI世とエリザベトを演じたのは、とても素敵でした。

uriel_archangel at 16:46 | 講演会・展覧会 
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