ボッティチェリ
June 15, 2015
ボッティチェリとルネサンス フィレンツェの富と美
またまた、ボヤボヤしていると会期が終わっちゃう! ということで行きました。開館の7〜8分前に到着したところ、少々行列ができていました。まあ、『鳥獣戯画展』に比べれば全然、ですし、『ルーヴル美術館展』に比べてもスケールが小さいです。会場も、ひどい混雑ということはなく、作品鑑賞を楽しめました(ゆったり加減は、グエルチーノ展には負けます)。
今回、興味深かったのは、「フィレンツェで花開いたルネサンス芸術を支えた商業」という観点からの展示があったことです。フィレンツェで鋳造したフィオリーナ金貨や銀貨は質が良かったことから評価が高く(フロリンという表記もあります)、フィレンツェの商業の発展に貢献したそうです。デザイン面もこだわって作られたとか。
当然ニセモノも多く作られ、これまた展示されていました。アヴィニョンの教皇庁とかアラゴン王国とか、そういうところが作っちゃうのね、というのも興味深かったです。
第二次世界大戦中にドイツも日本も偽札を作っていたというし、ゴート札の例もあるし(?)、現代でも某国が偽札を作っているとかいないとかいう話もあるので、まあ、情報戦とかそういう感じなんだろうな、と思いました。
商人たちが使っていた(富の象徴でもあった)鍵や貴重品入れなどの工芸品も、「こういう観点だからこそ選ばれたのだろうなあ」というもので、当時の人々の生活を考える(妄想する)きっかけになったりして興味深いものでした。
阿部謹也氏の著作でもよく出てきた「奢侈禁止令」はやはりあって、華美な衣装を禁じられていたのですが、それを守って質素な衣装で描かれた作品もあればそうではない作品もありました。「まあ実際は、見えないところで派手にしていたんだろうなあ」などと思ったり。これも、そういう観点の解説というのはあまり見たことがないので、面白かったです。
両替商の夫婦の絵があり、息子と「こういう絵、ルーヴル美術館展でも見たねえ」と、せっかくなのでこれまでの知識がつながるかな? という話をしました。
ボッティチェリの名前が展覧会に登場し、確かに彼の作品も多かったのですが、メインは「フィレンツェの隆盛と没落」という印象です。サヴォナローラの影響を受けたボッティチェリの画風の変化がいつも気になっているので、晩年の作品を見ると「黄昏、という感じだなあ」と思います。
「有名な作家の有名な作品が見たい!」という方には向きませんが(そういう人はこんな辺境のブログを見に来ることもないでしょうけれど)、「ボッティチェリが活躍した当時のフィレンツェについて知りたい」という方には、学ぶところのある展覧会だと思います。
今回、興味深かったのは、「フィレンツェで花開いたルネサンス芸術を支えた商業」という観点からの展示があったことです。フィレンツェで鋳造したフィオリーナ金貨や銀貨は質が良かったことから評価が高く(フロリンという表記もあります)、フィレンツェの商業の発展に貢献したそうです。デザイン面もこだわって作られたとか。
当然ニセモノも多く作られ、これまた展示されていました。アヴィニョンの教皇庁とかアラゴン王国とか、そういうところが作っちゃうのね、というのも興味深かったです。
第二次世界大戦中にドイツも日本も偽札を作っていたというし、ゴート札の例もあるし(?)、現代でも某国が偽札を作っているとかいないとかいう話もあるので、まあ、情報戦とかそういう感じなんだろうな、と思いました。
商人たちが使っていた(富の象徴でもあった)鍵や貴重品入れなどの工芸品も、「こういう観点だからこそ選ばれたのだろうなあ」というもので、当時の人々の生活を考える(妄想する)きっかけになったりして興味深いものでした。
阿部謹也氏の著作でもよく出てきた「奢侈禁止令」はやはりあって、華美な衣装を禁じられていたのですが、それを守って質素な衣装で描かれた作品もあればそうではない作品もありました。「まあ実際は、見えないところで派手にしていたんだろうなあ」などと思ったり。これも、そういう観点の解説というのはあまり見たことがないので、面白かったです。
両替商の夫婦の絵があり、息子と「こういう絵、ルーヴル美術館展でも見たねえ」と、せっかくなのでこれまでの知識がつながるかな? という話をしました。
ボッティチェリの名前が展覧会に登場し、確かに彼の作品も多かったのですが、メインは「フィレンツェの隆盛と没落」という印象です。サヴォナローラの影響を受けたボッティチェリの画風の変化がいつも気になっているので、晩年の作品を見ると「黄昏、という感じだなあ」と思います。
「有名な作家の有名な作品が見たい!」という方には向きませんが(そういう人はこんな辺境のブログを見に来ることもないでしょうけれど)、「ボッティチェリが活躍した当時のフィレンツェについて知りたい」という方には、学ぶところのある展覧会だと思います。