マタイ受難曲
August 06, 2011
「音の出しにくさ」がもたらすもの "Aus Liebe will mein Heiland sterben"
久々に古楽の話です。私は、J.S.Bachの《マタイ受難曲》がとても好きです。好きな曲はたくさんあるのですが、最近気になるのが、タイトルに入れているソプラノのアリア、"Aus Liebe will mein Heiland sterben"です。
この映像で、2分くらいから演奏が始める音楽です。
実は、この演奏を見ていて思ったことがあります。
「――この曲、トラヴェルソは演奏しにくい調や音なのかな?」
ということです。ものすごく響きが悪いというか、音が詰まったような感じがします。
あと、ツィンクでしょうか? ちょっと曲がった感じのする楽器も、やはりすんなりと音が出ている感じではありません。何しろこれだけの演奏ですから、「演奏者の技術が足りない」というのが、そう聞こえる理由だとは思えません。
見ていて辛そう、と言うと語弊がありますが、ものすごく苦労して、一生懸命に音を出している感じです。
――もしかして、これがバッハの狙いなのかな? と思いました。その楽器の出しやすい調や音で朗々と奏でるのではなく、敢えて出しにくい音を使って、苦労して演奏させるのです。そういう演奏のほうが、歌詞の持つ意味(『何の罪もない救い主が、私の身代わりとなって十字架にかけられた』というような意味です)を、聞く者により深く伝えるのではないでしょうか。
これは、「演奏しにくそうだなあ」と勝手に私が感じたことから書いているので、「大外れ」の考察である可能性はありますけれど。
この映像で、2分くらいから演奏が始める音楽です。
実は、この演奏を見ていて思ったことがあります。
「――この曲、トラヴェルソは演奏しにくい調や音なのかな?」
ということです。ものすごく響きが悪いというか、音が詰まったような感じがします。
あと、ツィンクでしょうか? ちょっと曲がった感じのする楽器も、やはりすんなりと音が出ている感じではありません。何しろこれだけの演奏ですから、「演奏者の技術が足りない」というのが、そう聞こえる理由だとは思えません。
見ていて辛そう、と言うと語弊がありますが、ものすごく苦労して、一生懸命に音を出している感じです。
――もしかして、これがバッハの狙いなのかな? と思いました。その楽器の出しやすい調や音で朗々と奏でるのではなく、敢えて出しにくい音を使って、苦労して演奏させるのです。そういう演奏のほうが、歌詞の持つ意味(『何の罪もない救い主が、私の身代わりとなって十字架にかけられた』というような意味です)を、聞く者により深く伝えるのではないでしょうか。
これは、「演奏しにくそうだなあ」と勝手に私が感じたことから書いているので、「大外れ」の考察である可能性はありますけれど。