印象派

December 13, 2019

* コートールド美術館展 魅惑の印象派

先週のことになりますが、仕事の合間を縫って行きました。この時点では、「日本で人気の印象派なのに、来場者が少ないな〜。もったいないな〜」という感じの人出だったのですが、さすがに今は会期末なので、混雑しているようです。そういうこともあって、好きな場所で好きなだけ、作品を鑑賞することができました。

イギリスの実業家コートールドが、イギリスでは印象派やポスト印象派が評価されておらず、作品が収集されていないということで始めたコレクションが、そもそもの始まりだそうです。しかも、美術館だけでなく、世界有数の美術研究所も彼の寄付で作られたそうです。

そんなわけで、充実したコレクションを鑑賞できました。ドガなどの彫刻作品もあり、新たな技法や画家にクローズアップした章もあり、印象派をさまざまな角度から見ることができます。絵画のバックグラウンドの紹介や詳細部分の解説などのパネルもあり、ただ作品を眺めるだけでなく、きちんと鑑賞することができます。

マネの《フォリー=ベルジェールのバー》は、とても印象的でした。若く美しいけれど生き生きとした輝きを放ってはいないバーメイドから、彼女の置かれた状況が想像できます。一方で、ロートレックが描く疲れた女性の姿は、おそらく彼女が他の人には見られたくない姿なのではないかなあ、と思います。

単眼鏡も持って行ったので、細かい部分もよく理解できました。自分の目がどれだけ近くでものを見ることに対して調節して対応できるかを考えると、少し離れた場所から単眼鏡を使ったほうが、きちんと見えるのですよね(老化ですね〜)。混雑していなかったこともあって、じっくりと時間をかけて楽しめた展覧会でした。

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April 19, 2018

* 至上の印象派展 ビュールレ・コレクション

最近、展覧会のことしか更新していないですね……。今週の「ぶらぶら美術・博物館」を見て、「これは行かねば」ということでよくよく調べたところ、大型連休明けに会期が終了すると分かりました。そこで、今のうちに行っておくしかない、ということで行ってきました。

前回のブリューゲル展は「もったいないなあ、見に来ないなんて」という感想でしたが、今回の感想は「印象派って人気なのね……」でした。

人が作品の前にぎっしりで近寄れない、ということはありませんが、ポイントポイントの絵(音声ガイドがついている絵とか……)で人が多くなります。見やすい場所で見る、というのは不可能ではありませんが、かなり難しいです(時間がかかるので)。

でもこんなときに役立つのが、単眼鏡です! 今までにも書いていますが、遠くからでも筆づかいが確認できますよ。それと、単眼鏡で狭い範囲を見ることで、全体を大きく見ていては気づかない細部にも目が向きます。これもなかなか面白いです。

あと実は、絵に顔を近づけても、視力というか、目の能力の関係で細部がくっきりと見えるわけではないので、単眼鏡でばっちりピントを合わせて見るのは本当に役に立ちます。

ご多聞にもれず、今回も音声ガイドを聞きながらの見学でした。目利きが集めたコレクションだけあって(ここらへんはテレビから得た情報です)、富豪がただお金にあかせて集めたコレクションのような「なぜ唐突にこの絵があるんだ」というものはありません。フランス・ハルスの絵は、時代は離れていますが印象派につながる絵だし、アングルの絵も印象派の前の時代を代表する絵です。

同じヴェネツィアの風景を描いた作品でも、カナレットの細部の描写と、シニャックの点描による描写の違いを楽しめます。もちろん、単眼鏡が大活躍でした。

有名な作家の「この人らしい」という作品ばかりが並んでいました。ゴッホは、初期のオランダ絵画の影響が大きい暗い感じの色彩の絵から、パリに出て印象派に影響されて描いた絵、アルルで入院中に描いた浮世絵の影響が見られる絵、オーヴェール・シュール・オワーズで描いた絵とそろっていました。「このコレクションだけでゴッホの生涯がたどれる」と感心しました。(ただ、隣の部屋から入ると晩年の絵が近くにあるのでそちらから見学してしまい、逆からたどっていた人も多くいました。それがちょっと残念でした)

展覧会のメインビジュアルである、ルノワールの「イレーヌ・カーン・ダンベール嬢」は女の子のかわいらしさが全開という感じで、「親も本人も、こんなにかわいらしく描いてもらってなんの不満があるんだろう」と思いました。こういう春のみずみずしい美しさを、文章で表現するのが好きなんですよね〜。そういう、「この姿を表現するなら、どういう言葉を使えばいいのかな」というのを考えたくなるような、緑に包まれ、光に満ちた美しい絵だと思いました。

そして、1950年代まで生きていたビュールレは、印象派の後に続く、フォーヴィズムやキュビズムの絵も収集していました。本当にぬかりなく収集しているなあ、という感じです。そして最後の部屋は、撮影が可能でした! モネの「睡蓮」です。

20180419monet

なんで絵の上の空間部分が大きいかというと、絵の下は頭、頭、頭……だったからです(スマホやタブレットも多数)。そういうものが入らないように撮影すると、こういう感じになりました(スマホを高く掲げて撮影しました)。

こうして絵を見終えて、印象派の人気を実感したのは最後のショップです。欲しいものに手がなかなか届かないのです! しかも、レジも長蛇の列……。かわいいイレーヌちゃんはマグネット・絵はがき・クリアファイルで入手し、ロートレックの"Confettis"はマグネットを入手しました。

今年は頑張って展示会に行きます。そしてもうちょっとブログも更新しなければ。

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December 08, 2015

* マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展「印象、日の出」から「睡蓮」まで

展覧会に行くのは7月以来です……。私自身はあきらめかけていたのですが、息子が「モネ展に行きたい!」というので、日曜日に行きました。

しっかり行列ができています。9時半開館で10時ころに到着したのですが、10分待ちでした。もうちょっと待ったのではないか、という感じもしますが……。そして、私達が見終えて出てきたときには30分待ちになっていました。でも我が家は、鳥獣戯画展でもっと待つのを経験しているので、苦になりません。

まあ、もっとテキパキ動いて、開館時間に到着するようにすべきだったのですが……。平日の混雑具合は分からないのですが、公式サイトに混雑状況の記載があるようなので、参考にするとよいのではないかと思います。まあ、確実なのは朝イチですね(並んだ時間に見合う結果が出るということで)。週末は最終日になるので、朝イチが難しい場合は、かなりの覚悟が必要だと思います。

そんな状態なので、作品のすぐ近くで鑑賞、というのはできませんでした。というか、すると時間がかかるのでしませんでした。でも身長に助けられ、1.5mくらい離れた場所から見るのはできました。

そうすると、特に晩年の作品では、「近くで見るとよく分からないけれど、遠くから見ると何を描いたかが分かる」というのが比較できました。ジヴェルニーの庭にある日本橋やしだれ柳を描いた作品は、近くで見ると本当に「何だろう、これ」の世界です。

睡蓮の作品を紹介するコーナーの入り口部分に展示された初期の睡蓮の作品は、分かりやすく青い色合いも美しいので、そこでかなり人だかりができていました。

そういうものも良かったのですが、個人的に興味深かったのは、若い日に描いていたというカリカチュアです。人の表情の特徴をとらえてコミカルに表現するというのは、漫画にも通じるものがあります。息子は「漫画と同じだね」と言っていました。

《印象 日の出》の展示は終わってしまいましたが、その後の目玉となる《サン・ラザール駅 ヨーロッパ橋》も、蒸気の表現や駅の空気感があって、素晴らしいものでした(他の作品でもそうですが)。

こんな感じで、やや駆け足気味に展示を見ました。最後のショップもそれなりの混雑で、私はあまり買う気はなかったのですが、息子が見事に抹茶味のお菓子にひっかかり、レジの待機列にも並ぶことになりました。

最後にこの作品(?)で和みました。筆触分割とは違いますけれどね。

image


最近展覧会をご無沙汰していて、見逃してしまったものも多数あります。これからは、もっと時間を有効に使わねば……と思いました。

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August 03, 2014

* ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展

家族で行きました。実は、世田谷美術館は高校生のときに行った記憶がある程度の場所でした。駅から近くはないということは覚えていましたが、この暑いのに大変だと思いつつ、展示会のサイトをチェックしたところ……。

なんと、用賀駅から美術館直行の臨時バスが運行されていました! 確かに、この天気で徒歩17分と聞かされたら、尻込みしてしまう人も多いですし、何より実際に熱中症などで倒れてしまう人が出たら、大変です。料金も100円と、気軽に使える金額でした。本数も、土曜・休日なら8分に1本のペースで運行している時間帯もあり、とても便利です。これを使わない手はありません。

そんなわけで、美術館までは予想に反して快適な移動となりました。それでも、バス停から美術館までは歩くだけでも体力を消費する感じがしました。

会館直後の時間帯なので、チケット売り場にはそれなりの行列ができていました。事前にオンラインでチケットを購入していたので、行列とは関係なくスイスイと入場できました。会場内は混雑しておらず、快適に見学できました。チケットは事前に入手しておくと、最初の行列で体力を使わずにすむと思います。

そして実際の展示は、とても興味深いものでした。印象派の人々が影響を受けた浮世絵と、その影響下で描いたと思われる作品が並んでいるので、「なるほどねえ」と思いながら比較できます。頬杖をついて思索にふける女性の絵は、日本の浮世絵の影響だと言われなければ気づかなかったでしょう。

風景画でも、浮世絵の表現方法が、印象派の作品に大きく影響していることが分かりました。5月にサントリー美術館で見た展示では、逆に、浮世絵というか日本の絵画が、西洋の絵画や印刷物から受けた影響が紹介されていました。こうやって知らないうちに影響しあって、互いの芸術を高め合っているというのは素晴らしいなあ、と思いました。

西洋の絵画だけを見ていると、印象派であまりにいろいろなことがそれまでと異なっているので、「どうしてここで急に、こういう表現が出てくるのだろう」と不思議に思ってしまいます。でも、浮世絵と一緒に展示されていると、「なるほど、こういうところから影響を受けているから、それまでになかった表現があるんだなあ」と納得できます。

日本人から見ると普通の表現でも、例えば「左右対称のデザインではない!」など、当時のヨーロッパの芸術家にとっては衝撃的だったというのも、とても興味深かったです。生まれ育った文化は、本人が気づかないうちに影響を与えているのだなあ、と思いました。

これから印象派の作品を見るときに、「これは浮世絵の影響かな?」という視点が常に持てる、今後の作品鑑賞にも役立つ内容でした。

余談ですが、夫は世田谷美術館のある砧公園の雰囲気がとても気に入っていました。もっと季節が良ければ、ランチ持参で展示会の後に公園で食べる、というのも楽しそうです。

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September 05, 2011

* ワシントンナショナルギャラリー展

会期終了直前の週末になりましたが、ようやく親子で見に行きました。

東京での展示は今日で終了し、9月13日からは京都での展示が始まるそうです。

今回の展示会は印象派とその前後の時代を取り上げていました。作者の説明もあって、興味深く展示を見ることができました。

『ぶらぶら美術・博物館』予習をしていたこともあり、知識が増え、鑑賞がますます面白くなっています。

今になって知ったのか、と言われそうですが、「筆触分割」も最近知ったものです。スーラの点描を用いた技法は知っていましたが、印象派の画家たちも「色を混ぜずに描く」技法を用いていたことはよく知りませんでした。スーラのような描き方が突然現れたわけではなく、やはりそういう流れがあるのですよね。

写真が発明され、「絵画」がどうあるべきかが大きく変化した時期というのも、これまでとは違う絵画が出てくるきっかけなのだろうと思います。そして、もしかしたら、ですが、ちょうど勢いのある「若いアメリカ」の人々が、伝統にとらわれず、よいと思ったもの(印象派の作品)を評価したのではないかと思います。これについては、私が勝手に考えていることなので、本当かどうかは分かりませんけれど。

それと、印象派の作品を見ていて興味深いのは、「浮世絵の影響」が大きいことです。どの絵もそう、というわけではありませんが、わざと影をつけずに描いている絵や、輪郭線を黒で描いている絵を見ると、「ああ、浮世絵の影響かなあ」と感じます。あと、「これは浮世絵で描かれた着物の色使いに影響されたかなあ」という絵もあります。

特にメアリー・カサットの連作で、描かれている日常の情景や色使いなどで、「ああ、これは浮世絵の影響だなあ」とすぐに分かりました。解説でもそう言っていたので、「やっぱり」と思いました。

まるでオルセー美術館に行ったときのように、印象派まで・印象派・印象派以後の流れが分かる、とても興味深い展覧会でした。

それこそ、オルセー美術館でも彫刻などが展示されているのですが、油彩以外の素描・水彩・版画などが見られるのも、とても興味深かったです。オルセーに展示されているルノワールの「田舎の踊り」が素描か版画かで描かれていたのですが、見ているはずの息子は、「こういう絵の記憶がない」という感じでした……やれやれ。

そして息子は、ワシントン犬のマグネットを購入しました。どの子かは秘密です……。

その後、展示と同じくらいに熱心に見ていたのが、国立新美術館のミュージアムショップです。ザリガニワークスの「コレジャナイロボ」も気に入っているのですが、「空気の器」も面白かったようで、熱心にいじっていました。

夏休みは終わってしまいましたが、やっと休みらしいことができた、という感じです。

もっと時間があれば、ミッドタウンに寄ったりもできるのでしょうけれど、これは受験が終わるまでお預けですね。

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July 06, 2011

* 『ぶらぶら美術・博物館』でワシントン・ナショナル・ギャラリー展の魅力を知る

というわけで、昨日もちらりと書きましたが、なぜかHDレコーダーがうまく動かなかったので、見られたのは8割程度でした。――が、その範囲で書いていきます。

今回は、国立新美術館で開催されている、ワシントン・ナショナル・ギャラリー展です。ワシントン・ナショナル・ギャラリー改装のため、普段は貸し出されることのない作品が、今回は日本に来ているとのことです。

印象派・ポスト印象派の著名な画家の作品が出展されています。番組の流れでも、マネやカミーユ・ピサロといった印象派に影響を与えた人々、ドガ、モネ、ルノワールといった印象派、セザンヌ、ゴーギャン、ゴッホといったポスト印象派……と、印象派前後の時代の代表的な画家たちの作品が、数多く展示されています。

実は「セザンヌは、何がすごいのかよく分からない……」という状態だったのですが、山田五郎さんの解説で、彼の絵の新しさというか面白さが分かるようになりました。彼の形のとらえ方が、ピカソなどのキュビズムにつながるのだなあ、感じられます。

ゴッホは、耳を切り落としたことや絵の雰囲気もあって、日本では「激しさ」が全面に出されることが多いと思います。でも、アムステルダムのゴッホ美術館(日本語のページにリンクしています)でじーっと彼の生涯と作品を眺めて、私は「一生懸命で真面目で一途で、でも周囲に認めてもらえなかった人なんだなあ」と感じました。確かに性格的に激しさはあるかと思いますが、それよりも彼の真面目さや一途さが、病などの悲劇をもたらしたのでしょう。

――というのはともかく、こうやって、当時の有名な画家の有名な作品が見られる展覧会なのだ、ということが実感できました。

そして、展示されているのは、有名な作品だけではありません。油彩だけでなく、水彩画や版画も展示されているのです。「いかにも印象派」という教科書的な作品だけでなく、「こういう作品もあったのか」というものも見られるのです。

これはやはり、ぜひ見に行かねば、と思います。子供もつれて行きたいのですが、いつがいいでしょうね……。

今回の番組の概要は、こちらで見られます。だいたい私が見ていたところが紹介されているので、「番組を全部はしっかりと見られなかったけれど、この状態で書いて大丈夫かな〜」と安心できました(笑)

uriel_archangel at 19:13 | 日々の記録 
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