指輪
September 02, 2014
橋本コレクション 指輪 神々の時代から現代まで ― 時を超える輝き
昨日購入したオンラインチケットを持って、行ってきましたよ。有名な画家のあの作品が来る! 的な展覧会ではないので、たくさんの来場者でにぎわっていて、見るのも大変、という状態ではありませんでした。
そのおかげで、じっくり見学できました。何しろ指輪は小さいので、拡大鏡がついている作品でも、それをのぞきこんで「ほほーう」と分かる、という感じです。
4000年ほど前の古代エジプトのスカラベの指輪、エトルリアの見事な粒金細工が施された指輪、印章の指輪(確かに指輪にしておけば、ずっと身につけていられるので安全ですね)、永遠の愛を誓う指輪、大切な人の死を悼む指輪、夜会で女性の指を彩った指輪etc.、実にさまざまな時代・地域の指輪が展示されていました。ブルガリやカルティエ、ヴァン クリーフ&アーペルなど、現在でも人気のブランドのものもあります。
「わー、ダイヤがキラキラ!」という、豪華絢爛というか、贅を尽くした指輪を展示するのではなく、美術品・工芸品としての指輪が楽しめました。カメオなど、「こんな小さいところに、精巧な細工が!」という感じで興味深かったです。
現代人から見れば非常に質素なデザインの指輪でも、当時は高級品で、ごく一部の人々しか身につけられなかったものです。ダイヤモンドは、やはりカットで光の反射が映えるようになる近代のほうが、見ていて面白いです。
18世紀につくられた死を悼む指輪には、6歳と生後2週間の息子を相次いで亡くしたことが銘に入っていました。そういう指輪を作れる身分の人でも、あっけなく命を落としてしまう時代だったのだなあ、と思いました。
それと、指輪は装飾品としてより、身を守るものとして使われてきた期間が長いというのは、納得できる話ではありますが、「そう言えば」という感じでした。今も結婚指輪などに銘が入れられますが、本来は単なる記念品ではなく、護符というか、思いが込められたものなのでしょう。
指輪の裏の隠れた部分に、密かに装飾で信仰や忠誠、愛などを表現する、という方法もあっただろうと思います。そういうことを考えると、妄想がふくらみます……。
最後のほうに、当時流行した衣装(神戸ファッション美術館の所蔵だそうです)と一緒に指輪が紹介されていたのも、とても興味深かったです。ロココからシャネルのイブニングドレスまで(もうちょっと後の時代までありましたけれど)、モードの変遷、という感じでした。個人的にはエンパイアスタイルが素敵だなあ、と思います。
どのドレスもみんな小柄で、かわいらしかったです。シャネルのシンプルなドレスが恥ずかしくなく着られるようになりたい! という気分です。ダイエットに気合が入ります。
今回の展示の流れからは外れるかもしれませんが、コレクションを寄贈した橋本貫志氏が、「星が浦」と名付けた指輪と亡くなられた奥様について書かれた文章が、非常に印象的でした。この指輪には、橋本氏によって新たな思い出が加えられたのだなあ、と思います。ジュエリーというか、というのは、
この後、常設展の版画素描展示室で「私は見た:フランシスコ・デ・ゴヤの版画における夢と現実」を見ました。これは、常設展の入場料だけで見られます。企画展の半券があれば常設展も見られます。
2011〜12年のプラド美術館のゴヤ展は見に行けなかったのですが(息子が中学受験真っ最中でした)、とても興味深い内容でした。当然ですが、技術だけでなく、作品に込められた思いがあるからこそ、その面白さ(興味深さ)が増すのですよね。悲惨な現実を描いたものから幻想的な雰囲気のものまで、さまざまな作品がありました。
それから、ミュージアムショップで美術書をあれこれ立ち読みして(気になる本や出版社は頭にメモして)、帰宅しました。今回は購入しませんでしたが、企画展のショップには、指輪をデザインした絵はがきやクリアファイル、ルーペ、バッグハンガー等がありましたよ。
間もなく展示期間終了ですが、「宝石のキラキラが見たい!」ではなく、「工芸品として、または護符としての指輪をじっくり鑑賞したい」という方にはおすすめです。
そのおかげで、じっくり見学できました。何しろ指輪は小さいので、拡大鏡がついている作品でも、それをのぞきこんで「ほほーう」と分かる、という感じです。
4000年ほど前の古代エジプトのスカラベの指輪、エトルリアの見事な粒金細工が施された指輪、印章の指輪(確かに指輪にしておけば、ずっと身につけていられるので安全ですね)、永遠の愛を誓う指輪、大切な人の死を悼む指輪、夜会で女性の指を彩った指輪etc.、実にさまざまな時代・地域の指輪が展示されていました。ブルガリやカルティエ、ヴァン クリーフ&アーペルなど、現在でも人気のブランドのものもあります。
「わー、ダイヤがキラキラ!」という、豪華絢爛というか、贅を尽くした指輪を展示するのではなく、美術品・工芸品としての指輪が楽しめました。カメオなど、「こんな小さいところに、精巧な細工が!」という感じで興味深かったです。
現代人から見れば非常に質素なデザインの指輪でも、当時は高級品で、ごく一部の人々しか身につけられなかったものです。ダイヤモンドは、やはりカットで光の反射が映えるようになる近代のほうが、見ていて面白いです。
18世紀につくられた死を悼む指輪には、6歳と生後2週間の息子を相次いで亡くしたことが銘に入っていました。そういう指輪を作れる身分の人でも、あっけなく命を落としてしまう時代だったのだなあ、と思いました。
それと、指輪は装飾品としてより、身を守るものとして使われてきた期間が長いというのは、納得できる話ではありますが、「そう言えば」という感じでした。今も結婚指輪などに銘が入れられますが、本来は単なる記念品ではなく、護符というか、思いが込められたものなのでしょう。
指輪の裏の隠れた部分に、密かに装飾で信仰や忠誠、愛などを表現する、という方法もあっただろうと思います。そういうことを考えると、妄想がふくらみます……。
最後のほうに、当時流行した衣装(神戸ファッション美術館の所蔵だそうです)と一緒に指輪が紹介されていたのも、とても興味深かったです。ロココからシャネルのイブニングドレスまで(もうちょっと後の時代までありましたけれど)、モードの変遷、という感じでした。個人的にはエンパイアスタイルが素敵だなあ、と思います。
どのドレスもみんな小柄で、かわいらしかったです。シャネルのシンプルなドレスが恥ずかしくなく着られるようになりたい! という気分です。ダイエットに気合が入ります。
今回の展示の流れからは外れるかもしれませんが、コレクションを寄贈した橋本貫志氏が、「星が浦」と名付けた指輪と亡くなられた奥様について書かれた文章が、非常に印象的でした。この指輪には、橋本氏によって新たな思い出が加えられたのだなあ、と思います。ジュエリーというか、というのは、
この後、常設展の版画素描展示室で「私は見た:フランシスコ・デ・ゴヤの版画における夢と現実」を見ました。これは、常設展の入場料だけで見られます。企画展の半券があれば常設展も見られます。
2011〜12年のプラド美術館のゴヤ展は見に行けなかったのですが(息子が中学受験真っ最中でした)、とても興味深い内容でした。当然ですが、技術だけでなく、作品に込められた思いがあるからこそ、その面白さ(興味深さ)が増すのですよね。悲惨な現実を描いたものから幻想的な雰囲気のものまで、さまざまな作品がありました。
それから、ミュージアムショップで美術書をあれこれ立ち読みして(気になる本や出版社は頭にメモして)、帰宅しました。今回は購入しませんでしたが、企画展のショップには、指輪をデザインした絵はがきやクリアファイル、ルーペ、バッグハンガー等がありましたよ。
間もなく展示期間終了ですが、「宝石のキラキラが見たい!」ではなく、「工芸品として、または護符としての指輪をじっくり鑑賞したい」という方にはおすすめです。