文京区

November 09, 2018

* 殿様サミット(2018年11月4日開催) 後編

後半の「殿様サミット」は、次の方々が参加しました。
出演:
コーディネーター:樺山紘一氏(東京大学名誉教授、印刷博物館館長)
御三家より:川斉正氏(水戸川家)
大名家より:阿部正紘氏(備後福山藩阿部家)、細川護光氏(肥後熊本藩細川家)、前田利祐氏(加賀藩加賀前田家) (五十音順)
実はメモ魔の本領を発揮して、自分のノートには結構細かく記録しています。でも、どこまで書いたらいいのかな……? ということで、書き方については試行錯誤してみます。

まずはそれぞれのご当主の文京区にからめた自己紹介がありました。戦前・戦中にお生まれの方々によると、疎開から帰ってみたら屋敷がGHQに接収されていて、戦後しばらくは別荘があった鎌倉で過ごされたとのことでした。鎌倉のあの雰囲気は、華族の別荘があって作られたものなのだな〜、と思いました(文京区に関係ないですけど)。

家訓はありますか、という質問に対しては、皆さん口をそろえて「そういうものは伝わっていない」とおっしゃっていました。とは言え、自主的に過去のことを学んでいるという方もいましたし、先祖の残した文書を読んでいると考えが伝わってくる、という方もいました。

阿部家のご当主は、誠之館(藩校)の名前の由来となった孔子の『中庸』にある「誠者天之道也、誠之者人之道也。(誠は天の道なり、誠之は人の道なり)」が、自分にとっては家訓のようなものとおっしゃっていました。余談ですが、この誠之館を作ったのは、あの阿部正弘なんですねー。江戸屋敷にも藩校があったので、文京区立誠之小学校(西片にある)に名前が残っています。

コーディネーターを務められた樺山先生(西洋中世史の本でお名前を見ていたので、私にとって『先生』なのです)は、「商家では厳しい家訓が残っていることがある。大大名家は逆にないんだなあ、と思いました」というようなことをおっしゃっていました。

ご先祖のお墓について、という質問に対しては、これまた皆さん口をそろえて「お墓の維持管理が大変」とおっしゃっていました。転封であちこちに菩提寺があると、なかなか大変のようです。また、先祖が作ったお寺があったりすると、負担がますます増えるようです。

水戸徳川家は常陸太田市にある領地が見渡せる場所に光圀公が墓を建て、先祖代々そこに入っているそうです。400年も経つと15万坪の土地に190基のお墓があり、お参りするのも大変とのこと。お母様が70歳のときにその仕事を引き継いだそうですが、お母様は全部お参りするのに3日がかりだったそうです。今はご位牌を水戸に運んで、あまり時間がかからないようにしているとのことでした。

前田氏は、ご先祖が偉ければ偉いほど、歴史が古ければ古いほど、ご先祖のお墓やお寺の維持管理が大変になるが、自分の家はそれほど歴史が長くないからそういう苦労は他の方に比べると少ないだろう、という趣旨のことをおっしゃっていました。私たちからしたら十分古くて歴史があると思うのですけれどね。

大名家同士の交流はありますか、という質問については、みなさん「冠婚葬祭で結構会います」とのことでした。大名家同士や華族同士で結婚することは普通にあったので、なんだかんだでだいたい親戚、という感じだそうです。そこで挙げられるお名前は、「ああ、知ってる。分かる」というお家の連続でした。

最後は、家の歴史を担うことについて、それぞれの役割をどう考えていますか、という質問でした。やはりみなさん、先祖から受け継がれたものを守り、次の世代に伝えていくことについては、しっかりと受け止めていらっしゃいました。モノだけでなく家(血統?)も守るというのは、一般人には想像もつかない世界だなあと思いました。

家として受け継いでいくと贈与税や相続税が大変なので、財団法人を作ったり、しかるべき組織に寄付・寄贈したりして、受け継いできたものを守るというのも大事なことだなあ、と思いました。

ということで、本当にほんのちょっとだけ、ご当主の方々がお話された内容をご紹介しました。本当は、みなさんお話がお上手で、クスクス笑ったりしながら聞いていたのですが、短い文章にまとめるとそういう面白さが消えてしまうのが残念です。

そして、帰りがけに物販コーナーでも見るか、と思っていたのですが、ここでお財布を忘れていたことに気づきました……。荷物を小さくするよう努めているので、今日は荷物が軽いぞ、と喜んでいたのですが、お財布がなかったから、なのでした(地下鉄やコンビニでの買い物はモバイルSuicaですませていたので気づくのが遅くなりました)。

ご当地の物販どころか、駅ビル(メトロ・エム後楽園)やラクーアでの買い物もできない……と、トボトボと帰宅しました。

――と書くと誤解を招きそうですが、殿様サミットはとても興味深く、楽しめました。

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November 08, 2018

* 殿様サミット(2018年11月4日開催) 前編

週末はこのイベントに参加しました。1回の申し込みで2名まで応募できるとのことでしたが、2人だと落選の可能性が高まるかも……ということで、家族を含めず私1人分だけ申し込みました。その結果、無事に当然しました! それでよかったのかはさておき、です。

そうしたら、かなりの申し込みがあったようで、開催直前にこんな記事を見つけました。倍率高かったのね〜、と思っています。会場でアンケートが配られたので、「次回は大ホールで開催してほしい」と書きました。たぶん同意見多数、という状態だったでしょうね。

そして本題のイベントです。前半は、今回おいでいただくご当主のお家(水戸徳川家、備後福山藩阿部家、肥後熊本藩細川家、加賀藩加賀前田家)と文京区にどのような所縁があるかの説明と、ゆかりの自治体によるPRです。

基本的に、文京区には上屋敷や中屋敷があったそうです。それぞれ、水戸徳川家の上屋敷は後楽園、中屋敷は東大農学部あたり、備前福山藩阿部家は西片の住宅地(もともと阿部家が開発したそうです)、肥後隈本藩細川家は和敬塾本館・永青文庫・肥後細川庭園、加賀前田家は東京大学本郷キャンパスと、現代にも面影(というには大きなもの)が残っています。

ゆかりの自治体PRでは、茨城県水戸市・広島県福山市・熊本県・石川県金沢市の担当者が、それぞれのPRを行いました。それぞれ印象に残ったのは……
茨城県水戸市:
水戸の梅まつりを紹介する映像を流していましたが、一番集客力があるイベントは、徳川ミュージアム所蔵の燭台切光忠関連のものとのこと。さすがです!

広島県福山市:
福山市出身の世良公則さんが、市制100周年記念の映像でナレーションを務めていました。とてもかっこいいお声でしたー(もっと声の仕事をしてもいいのでは? と思うくらいです)。

熊本県:
くまモンが来ましたー。一緒にいるおねえさんもイベント慣れしているので、会場の空気を一瞬でわしづかみにしていました。こういうキャラクターがいるのといないのとでは、PRの効果が全然違うんだなー、と思いました。

石川県金沢市:
この順番だったので、「くまモンに負けないように頑張ります」みたいなことをおっしゃってました。街並みも食べ物もお茶も、伝統工芸も魅力的です。特に食べ物は、日本海のおいしいものがたくさん味わえそうです。「金沢冬のAKB」ということで、冬はA(甘えび)K(カニ)B(ぶり)が楽しめるそうです。

くまモンも、公式Twitterで今回の活動を報告していましたよ。

ここで休憩が入り、「殿様サミット」となります。この続きはまた明日。

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