講演会

November 09, 2018

* 殿様サミット(2018年11月4日開催) 後編

後半の「殿様サミット」は、次の方々が参加しました。
出演:
コーディネーター:樺山紘一氏(東京大学名誉教授、印刷博物館館長)
御三家より:川斉正氏(水戸川家)
大名家より:阿部正紘氏(備後福山藩阿部家)、細川護光氏(肥後熊本藩細川家)、前田利祐氏(加賀藩加賀前田家) (五十音順)
実はメモ魔の本領を発揮して、自分のノートには結構細かく記録しています。でも、どこまで書いたらいいのかな……? ということで、書き方については試行錯誤してみます。

まずはそれぞれのご当主の文京区にからめた自己紹介がありました。戦前・戦中にお生まれの方々によると、疎開から帰ってみたら屋敷がGHQに接収されていて、戦後しばらくは別荘があった鎌倉で過ごされたとのことでした。鎌倉のあの雰囲気は、華族の別荘があって作られたものなのだな〜、と思いました(文京区に関係ないですけど)。

家訓はありますか、という質問に対しては、皆さん口をそろえて「そういうものは伝わっていない」とおっしゃっていました。とは言え、自主的に過去のことを学んでいるという方もいましたし、先祖の残した文書を読んでいると考えが伝わってくる、という方もいました。

阿部家のご当主は、誠之館(藩校)の名前の由来となった孔子の『中庸』にある「誠者天之道也、誠之者人之道也。(誠は天の道なり、誠之は人の道なり)」が、自分にとっては家訓のようなものとおっしゃっていました。余談ですが、この誠之館を作ったのは、あの阿部正弘なんですねー。江戸屋敷にも藩校があったので、文京区立誠之小学校(西片にある)に名前が残っています。

コーディネーターを務められた樺山先生(西洋中世史の本でお名前を見ていたので、私にとって『先生』なのです)は、「商家では厳しい家訓が残っていることがある。大大名家は逆にないんだなあ、と思いました」というようなことをおっしゃっていました。

ご先祖のお墓について、という質問に対しては、これまた皆さん口をそろえて「お墓の維持管理が大変」とおっしゃっていました。転封であちこちに菩提寺があると、なかなか大変のようです。また、先祖が作ったお寺があったりすると、負担がますます増えるようです。

水戸徳川家は常陸太田市にある領地が見渡せる場所に光圀公が墓を建て、先祖代々そこに入っているそうです。400年も経つと15万坪の土地に190基のお墓があり、お参りするのも大変とのこと。お母様が70歳のときにその仕事を引き継いだそうですが、お母様は全部お参りするのに3日がかりだったそうです。今はご位牌を水戸に運んで、あまり時間がかからないようにしているとのことでした。

前田氏は、ご先祖が偉ければ偉いほど、歴史が古ければ古いほど、ご先祖のお墓やお寺の維持管理が大変になるが、自分の家はそれほど歴史が長くないからそういう苦労は他の方に比べると少ないだろう、という趣旨のことをおっしゃっていました。私たちからしたら十分古くて歴史があると思うのですけれどね。

大名家同士の交流はありますか、という質問については、みなさん「冠婚葬祭で結構会います」とのことでした。大名家同士や華族同士で結婚することは普通にあったので、なんだかんだでだいたい親戚、という感じだそうです。そこで挙げられるお名前は、「ああ、知ってる。分かる」というお家の連続でした。

最後は、家の歴史を担うことについて、それぞれの役割をどう考えていますか、という質問でした。やはりみなさん、先祖から受け継がれたものを守り、次の世代に伝えていくことについては、しっかりと受け止めていらっしゃいました。モノだけでなく家(血統?)も守るというのは、一般人には想像もつかない世界だなあと思いました。

家として受け継いでいくと贈与税や相続税が大変なので、財団法人を作ったり、しかるべき組織に寄付・寄贈したりして、受け継いできたものを守るというのも大事なことだなあ、と思いました。

ということで、本当にほんのちょっとだけ、ご当主の方々がお話された内容をご紹介しました。本当は、みなさんお話がお上手で、クスクス笑ったりしながら聞いていたのですが、短い文章にまとめるとそういう面白さが消えてしまうのが残念です。

そして、帰りがけに物販コーナーでも見るか、と思っていたのですが、ここでお財布を忘れていたことに気づきました……。荷物を小さくするよう努めているので、今日は荷物が軽いぞ、と喜んでいたのですが、お財布がなかったから、なのでした(地下鉄やコンビニでの買い物はモバイルSuicaですませていたので気づくのが遅くなりました)。

ご当地の物販どころか、駅ビル(メトロ・エム後楽園)やラクーアでの買い物もできない……と、トボトボと帰宅しました。

――と書くと誤解を招きそうですが、殿様サミットはとても興味深く、楽しめました。

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November 08, 2018

* 殿様サミット(2018年11月4日開催) 前編

週末はこのイベントに参加しました。1回の申し込みで2名まで応募できるとのことでしたが、2人だと落選の可能性が高まるかも……ということで、家族を含めず私1人分だけ申し込みました。その結果、無事に当然しました! それでよかったのかはさておき、です。

そうしたら、かなりの申し込みがあったようで、開催直前にこんな記事を見つけました。倍率高かったのね〜、と思っています。会場でアンケートが配られたので、「次回は大ホールで開催してほしい」と書きました。たぶん同意見多数、という状態だったでしょうね。

そして本題のイベントです。前半は、今回おいでいただくご当主のお家(水戸徳川家、備後福山藩阿部家、肥後熊本藩細川家、加賀藩加賀前田家)と文京区にどのような所縁があるかの説明と、ゆかりの自治体によるPRです。

基本的に、文京区には上屋敷や中屋敷があったそうです。それぞれ、水戸徳川家の上屋敷は後楽園、中屋敷は東大農学部あたり、備前福山藩阿部家は西片の住宅地(もともと阿部家が開発したそうです)、肥後隈本藩細川家は和敬塾本館・永青文庫・肥後細川庭園、加賀前田家は東京大学本郷キャンパスと、現代にも面影(というには大きなもの)が残っています。

ゆかりの自治体PRでは、茨城県水戸市・広島県福山市・熊本県・石川県金沢市の担当者が、それぞれのPRを行いました。それぞれ印象に残ったのは……
茨城県水戸市:
水戸の梅まつりを紹介する映像を流していましたが、一番集客力があるイベントは、徳川ミュージアム所蔵の燭台切光忠関連のものとのこと。さすがです!

広島県福山市:
福山市出身の世良公則さんが、市制100周年記念の映像でナレーションを務めていました。とてもかっこいいお声でしたー(もっと声の仕事をしてもいいのでは? と思うくらいです)。

熊本県:
くまモンが来ましたー。一緒にいるおねえさんもイベント慣れしているので、会場の空気を一瞬でわしづかみにしていました。こういうキャラクターがいるのといないのとでは、PRの効果が全然違うんだなー、と思いました。

石川県金沢市:
この順番だったので、「くまモンに負けないように頑張ります」みたいなことをおっしゃってました。街並みも食べ物もお茶も、伝統工芸も魅力的です。特に食べ物は、日本海のおいしいものがたくさん味わえそうです。「金沢冬のAKB」ということで、冬はA(甘えび)K(カニ)B(ぶり)が楽しめるそうです。

くまモンも、公式Twitterで今回の活動を報告していましたよ。

ここで休憩が入り、「殿様サミット」となります。この続きはまた明日。

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April 11, 2017

* 真田丸発掘調査報告講演会(2017年3月12日)

ほぼ1か月前の話で、非常に記憶が怪しくなってきたのですが、「書かないよりはマシ」ということで書きます。

この報告会に行くためにわざわざ大阪に行ったのではなく、大阪旅行の期間中にちょうど開催されるということで、喜び勇んで行きました。会場で司会の方が、「東京、横浜、石川など、遠方からもいらっしゃって……」とおっしゃっていましたが、本当にタイミングが良くて行っただけです……。私たち家族のほかにも、東京からいらした人はいたかもしれませんが。

会場は、まさに「ここが真田丸の本体」と推定される大阪明星学園のホール(講堂)でした。日曜日でしたが部活動などで生徒たちが登校していました。学生服(学ラン)の金ボタンが6つか7つくらいあるのが印象的でした。

講演会は、以下の内容で行われました。
  • 第1部:映像で探る真田丸発掘ストーリー(NHK大阪放送局 制作部チーフ・ディレクター 伊藤敏司氏)
  • 第2部:史上初の学術調査に臨んで(大阪府教育庁 文化財保護課 参事 森屋直樹氏)
  • 第3部:真田丸の復元(奈良大学 文学部 教授 千田嘉博氏)
  • 講演者三者による鼎談
第1部は、歴史秘話ヒストリアのディレクターが、真田丸発掘にいたった経緯を、たくさんの映像資料を交えて説明していました。古代が得意分野だった伊藤氏は、戦国に自分の得意な発掘ものを持ち込もうと、城郭考古学がご専門の千田先生にご指導いただいたそうです。さすが大阪というか、お話し上手な方でした。

資料を調べて現地調査をしていくうちに、浅野文庫諸国古城之図にある「摂津 真田丸」の図が、従来は参考にならないと言われていましたが、現在の地形や寺の配置につながるところがあり、こちらが正しいのではないか、という結論に至ったそうです。これに千田先生が賛同し、従来の説とは異なる真田丸の姿を提案しました。

最初に番組で描いたCGは不完全なもので、より考証を重ねた結果が「真田丸」での姿になるようですが、実は真田丸は寺町の中に寺を利用して作られており、実際は市街戦だったのではないか、とのことです。「真田丸」ではロケの都合上市街を再現できないため、市街戦にはなりませんでした。

第2部は、真田丸発掘調査で、現地で責任者として指揮を取った(確か……)、大阪府教育庁の人でした。そんなわけで、資料もお話も、非常に真面目な内容でした。ここは、私が発表内容をきちんと理解していないので、申し訳ありませんがここで説明することができません。発掘で出土したもののほか、どのような地層になっていたかの説明がありました。

森屋氏としては、真田丸の手がかりとなるものが出てくればとは思ったものの、残念ながら決定的な決め手となるものはなかった、という感じでした(これはその後の鼎談での話です)。研究者として当然の姿勢だとは思いますが、そういう私情を排して事実のみを報告するのは、非常に誠実だと思いました。

第3部は、真田丸復元についての講演でした。説明に使われた図版は、当然ですが第1部とも重なるところがあります。いくつか伝わる真田丸を描いた絵図から、真田丸は大阪城惣構えとはつながっておらず、馬出しとして用いることは不可能だった、と結論付けられています。また、周辺は市街地化していたことも分かるそうです。

ここで興味深く感じたのは、終戦後に米軍が撮影した航空写真は、(空襲で)建物がほとんどないため、本来の地形を探る手がかりになるということです。また、浅野文庫諸国古城之図にある「摂津 真田丸」だけでなく、松江歴史館の極秘諸国城図にある「大坂 真田丸」は(後者は昨年発見された、ということでニュースになりました)、私が当初想像していたよりも正確に、真田丸の姿を書き写している、ということです。

これらの絵図で描かれている姿は、現在の町の姿にも残されており、結論だけを聞くと「どうして真田丸の場所は、今までここだと言われてこなかったのだろう」とさえ思います。それは私が美味しいところだけ食べている状態だからで、ここで導き出される結論は、科学的な現地調査や、各地に分散する文書の横断的な調査などが可能になった現代だからこそ得られるものなのでしょう。

鼎談も非常に興味深い内容でした。きちんと記録していないので、詳しく紹介はできませんが。千田先生への、「先生だったら真田丸をどう攻めるか」という質問に対するお答えは、大変面白いものでした。

とても充実した内容の講演会で、行ってよかった、としみじみ思いました。

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February 28, 2017

* トークイベント「英国ファンタジーの魅力を巡る旅」

偶然Facebookで見かけ、興味を引く内容だったので参加しました。行ってみて、「ああ、私はファンタジーにも児童文学にも詳しくない……」と思いましたが、それでも楽しめるお話でした。

奥田実紀さんは、「赤毛のアン」の世界にあこがれ、ワーキングホリデーでカナダのプリンスエドワード島に行き、そこから彼らのルーツである英国に興味を持ったそうです。

最初に書いたとおり、今回紹介された作家の作品をあまり読んでいないのですが、それでも「なるほどー」と思うことが多かったです。

児童文学というのは、ペローやグリムの童話から始まり(これらは童話というより民話の採録ですよね)、イギリスに入って子供向けの文学として花開きました。イギリスにはケルトの伝統があり、ファンタジー文学隆盛の素地があったそうです。確かに、妖精や魔法使いが出てくるお話が身近にあれば、そういう物語を自然に作りますよね。

そして、作家が暮らした環境が、そのまま物語の舞台になっていることも多いそうです。ビアトリクス・ポターは好例ですが、物語で庭のトピアリーが出てくる作家は、自宅の庭もトピアリーが素晴らしいそうです。

日本とは自然条件や建物の作りが違うので仕方ないのですが、イギリスは18世紀・19世紀の作家が見た・過ごしたであろう建物や光景が、変わらぬまま現代も見られるというのは素晴らしいですね。

3月10日に、同じ内容の講座が池袋コミュニティカレッジでも開催されるそうです(平日午後ですが)。
せっかくなので、書籍を購入してサインもいただきました。




「赤毛のアン」が好きなので、こちらも一緒に購入しました。




あと、このときお話を聞いて「読んでみよう」と思った本がこちらです。

時の旅人 (岩波少年文庫)
アリソン アトリー
岩波書店
2000-11-17



洋書のKindle版もあったのですが、うまくブログでのリンクが作成できませんでした(Amazonへのリンクはこちら)。

「旅の本屋のまど」は旅にまつわるさまざまな本(新刊・古書とも)がそろっています。ガイドブックだけでなく、その地域が詳しく分かる本がある、という感じです。自分の家の近くにあったら行くだろうなあ、という本屋さんでした。

実は西荻窪に初めて行ったのですが、商店街がいい感じで、「家に帰る前に立ち寄りたくなる店」が多いなあ、と思いました。

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February 22, 2017

* 講演「いのちを生きる子供たちのために:高大接続改革の展望」

「いのちを生きる子供たちのために:高大接続改革の展望」は、このシンポジウムの一部(基調講演)として行われたものです。現在話題となっている大学入試改革の根幹とも言える部分を考えた人の話ということで、関心を持って聴きましたよ〜。書かねば書かねばと思っているうちに、1か月が経過してしまいましたが。

聴いていて、以前大河内先生が講演で話していたことと、結構重なるところがあるなあ、と思いました。小学校・中学校で教える内容は変わってきていて、一方的に教師が壇上から教える従来の方法ではなく、主体的に/対話的に/深く学ぶ、というメソッドが広がっています。

でもこれは、何十年も変わらない大学受験では重視されない。これをなんとかするには、大学受験を変えるのが一番手っ取り早い、という話です。

実は時間不足で、手元にある資料の内容が十分に話されていたわけではないのですが、先生の話を聞き、資料を見る限りでは、本当に「もっともだなあ」と思います。

将来どうなるかは、私たちがこれまで過ごしてきた時代以上に不確実です。そうすると、重要なのは自分で将来を切りひらく力であり、それは今、小学校や中学校で教えられている内容(手法)と一致するのです。

「日本の未来を賭けた教育改革」というのは、恐らくそのとおりなのだろうと思います。ただ、「提言はその通りだと思うけれど、いろいろ経由して出てきたものが……」という感じになるそうで(これは講演会で出た話ではありません)、そこがもったいないなあと思います。

世界の流れを見ると、これまでのように詰め込んだ知識を競うのではない大学入試が求められているのでしょう。恐らく2020年を待たずとも、大学入試は変化を続けていると思います(変化のない大学もあるでしょうが……)。大学受験だけを見ず、周囲を取り巻く情勢の変化に敏感になることが大事だなあ、と思いました。

まとまっていませんが、こういう感じです。

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June 11, 2015

* 気になる講演会(プロジェクト京都2015 | 日本翻訳者協会)

10月3日(土)に開催されます。
丸一日のワークショップと対話型セッションをご用意しています。
さらに、プロジェクト京都2015の後は、JAT30周年記念祝賀パーティーも行われるそうなので、充実した1日が過ごせそうですね。

私も「これは参加してみたいかも!」と思い、どこに宿泊すればいいかな、というところまで調べましたよ。

でも、よくよくスケジュールを調べたら、この日は息子の学校関係で外せないイベントがありました(汗) 残念ながら、この日の参加は難しい状態です……。

この時期の京都は、観光シーズンということもあって宿の予約がしにくいそうなので、興味のある方は、今のうちに宿泊場所の確保をしたほうがいいと思います(東京から日帰りでの参加も可能だとは思いますが)。

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June 01, 2015

* 吉田研作先生&安河内哲也氏『TEAP and University Entrance Exams』@ASF

そんなわけで、短い休憩の後、同じ会場で引き続き行われたのはこちらです。
  • TEAP and University Entrance Exams
公式サイトでは「安河内哲也氏」の名前だけですが、実際はタイトルのとおり、吉田研作先生と安河内氏のお話でした。安河内氏は、歯切れの良いお話だけでなく、質問の挙手に対してフットワーク良くマイクを持って走ったりなど、下っ端感・使い走り感親しみやすさにあふれていました。

私も詳しくはないのですが、TEAPについてはこちらに書かれています。このサイトには、概要が書かれています。
TEAP(ティープ)とは、Test of English for Academic Purposesの略語で、上智大学と公益財団法人 日本英語検定協会が共同で開発した、大学で学習・研究する際に必要とされるアカデミックな場面での英語運用力(英語で資料や文献を読む、英語で講義を受ける、英語で意見を述べる、英語で文章を書くなど)をより正確に測定するテストです。
テスト形式は総合的な英語力を正確に把握することができるよう「読む」「聞く」「書く」「話す」の4技能で構成しています。
TEAPを採用する大学も増えてきているそうです。「話す」についても、きちんと複数の試験官が公正を期して評価しています。

「日本の高校生は、世界的に見ても英語ができない。授業内容を変えても、出口(大学入試)が変わらなければ大きな流れにならない」

というのが、有識者会議での話だそうです。で、私は誰とは言いませんが(笑)「4技能」「4技能」と連呼した人がいるので、無事に「4技能を問う」という流れになったそうです。

最近どこかでニュースになっていたのでうっすら記憶にあったのですが、文部科学省が2014年7〜9月に、国公立高校の3年生を対象に行った「英語力調査」の結果によると、対象者の8割ほどがCEFRでA1、英検に換算すると3級(中学卒業程度)レベルだったのだそうです。

文部科学省でPDFが見られますが、下記の記事にある程度まとめた内容が書かれています。そこで、国公立大学の入試でも、2020年までに英語については4技能を問うものに変わるであろう、ということです。私立大学は、TEAPを例として2020年以前から変わっていますが、恐らく変わらないところもあるでしょう、という話です。ただ、変わらない大学(=潮流に乗らない大学)を今後受験生が選ぶかどうかは「?」というところです。

当然ですが、上智大学で、しかも外国語学部英語学科という、外国語教育についてはいわゆる「意識高い系」が多い場なので、この流れには大いに賛成する人が多かったです。私もその立場です。ただ、地方だけとは限りませんが、新しいメソッドや情報が手に入れにくい環境にある人は、「取り残されるのではないか」という不安が多いだろうと思います。

「読む」「聞く」というpassiv(受動的)な能力は、塾などを活用できる環境になくても、独学で身に付けることができます。一方で「話す」「書く」能力はactive(能動的)なもので、現状では学校以外での指導サービスを受けられる人が圧倒的に有利です。これを独学で向上させる方法の発信も必要ではないかなあ、と思います。

時間制限がなければ、質疑応答なども盛り上がった講演会でした。最後に、4技能の重要性を訴えるために安河内氏がポケットマネーで作った"4 skills for Japan"という缶バッジをいただいてきました。

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「記念品にするのではなく、使って下さい」とのことなので、一番行動範囲の大きい息子の通学用バッグにつけてみましたよ。

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バッグを乱暴に扱うタイプではないのですぐに取れるということはないでしょうが、長い間くっついていてくれるといいなあ、と思います。

この後、息子と合流しました。あちこちの屋台で美味しいものを食べ、満腹&ご満悦でした。気仙沼ホルモン焼きそばとカレーうどんを食べたというので、「そりゃあ満腹になるでしょう」という話です(他にも食べていますよ……)。ちなみにこんな感じで、いろいろと食べ物がありました。

イグナチオ教会はミサのため見学不可だったので、そのまま帰宅しました。相変わらずinternationalな感じでした。ちなみに私のお昼ごはんは、アトレに入っているPAULのパンでした。これはこれで美味しいので満足です。

息子は、また来年もフードコートでいろいろと食べたいので行きたい、と言っています(笑) 私も、ちょっとだけでなく終日楽しみたいなあ、と思いました。そのためには時間&スケジュール管理が大切です。はい。

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May 31, 2015

* 吉田研作先生講演会"Language Acquisition−How You Learned Language as a Child"(言語習得入門特別編)@ASF

今年もASF(All Sophians' Festival)に行ってきました。残念ながら、私が仕事でバタバタしていたもので、「行くとしたら、これとこれだな」ということで、「楽しい1日を過ごす」ではなくピンポイントで参加しました。その1つがこちらです。
  • 『Language Acquisition−How You Learned Language as a Child』(吉田研作先生)
日本語に訳すと、「言語習得――子供のときにどのように言語を学んだか」というところでしょうか。SELDAA(英語学科同窓会)の企画のようです。学生の時は、こういう授業を取らなかったのですけれど。

ところで、公式サイト(Facebookではないほう)に講演に関する個別のページというものが見つからず、こういうところからリンクできずにいます。Facebookページでの紹介はこちらです(探しにくいのですよね〜)。

息子を連れて行こうか悩んだのですが、息子にとって興味のあるものかどうか分からないので、集合場所と時間を決めた後、お小遣いを渡してフードコート(メインストリートの屋台群)に放牧しました(笑)

吉田先生の講義『言語習得入門/INTRO. TO LANGUAGE ACQUISITION』の特別編ということで、恐らく1年近くかけて説明することを、45分くらいでささーっと流した、という感じでしょうか。

学生のときに講義を聞いて、どの程度納得できるかは分かりませんが、子供を育てた後でうかがうと、「なるほど〜」ということばかりでした。自分が出産するまで、小さい子に興味がほとんどなかったもので、こういう視点での講義にはまったく関心がありませんでした。

例えばですが、犬を見ても猫を見ても「わんわん」と呼ぶのは、「わんわん」の定義が大人が考える一般的なものと範囲が違う、ということです。コミュニケーションと言語と、どちらが先か? という話など、赤ちゃんからの子供の成長は、親として見ているときはそういう視点がなく気づきませんでしたが、言語学的にはとても興味深いことの連続なのだろうなあ、と思います。

そして講義のスタイルも、全編英語でしたが映像も豊富に使用していて、多少分からない単語があってもなんとなく分かる、という感じでした。息子は小さい子のかわいらしさが好きなので、小さい子がまさに「ばぶばぶ」と話している様子や、小さな双子の兄弟が大人には意味の分からない音声でコミュニケーションを取っている様子など、もしかしたら興味を持ったかなあ、とも思います。

「英語で英語の勉強をする」ではない講義だったので、体験させたかったなあ、とは思いますが、まあ仕方ないや、ということで。高校生対象の外国語学部での体験授業としても、いい感じでした。

そして引き続き、同じ会場での講演会に参加しました。そちらは後日。

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April 24, 2015

* 気になる講演会(立教大学異文化コミュニケーション学部連続講演会)

立教大学で行われます。

第一部は研究発表「字幕翻訳研究の今」、第二部は講演Afterthoughts on “For an Abusive Subtitling”です。
異文化コミュニケーション学部では、異言語・異文化間コミュニケーションの仲介行為としての通訳翻訳について、学部の専門領域の視点から理解を深めていくために、2015年度に連続講演会を開催する。この連続講演会を通して、現代社会における通訳者・翻訳者の役割を議論し、グローバル化や多言語多文化共生社会の可能性と課題を新たな視点で見直す機会を提供できると考える。
ということで、リンク先をご覧いただければ分かりますが、非常に興味深い内容です。

これは面白そうだなあ、とは思うのですが、今週は仕事をぎゅぎゅっと入れてしまったので、時間が取れるかどうか分からない状況です(汗)

いちおう、あきらめないつもりでスケジュール帳には書いておいてはみたのですが……。

私の場合、ブログに書くというのは「他人に読んでもらおう」というより「自分のためのまとめ」という側面が大きいので、やはり毎日書かなきゃいけないなあ、と思いました。

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June 30, 2013

* シンポジウム「領土とナショナリティー」(第29回 日本ドイツ学会総会・シンポジウム)

お昼を挟んで、午後の部です。
  1. 領土と国益——ドイツ東方国境紛争から日本を展望する 佐藤成基(法政大学教授)
    第二次大戦でオーデル=ナイセ線以東の領土を失ったドイツは、戦後東方国境をめぐってポーランドとの間に紛争が発生した。しかしその紛争は、ドイツの全面的な領土の放棄という形で最終的な解決をみた。これは20世紀の国境紛争史のなかでは特異な例である。なぜそのようなことが可能だったのだろか。また、この紛争解決の経緯は、現在日本が抱える領土問題にとって何らかの指針となるのか。本報告ではこれらの問題について考えてみたい。

  2. 失われた東部領/回復された西部領――ドイツ・ポーランドの領土とオーデル・ナイセ国境 吉岡 潤(津田塾大学准教授)
    第二次世界大戦の結果、ポーランドはドイツから領土を獲得する。戦後政権は新たにポーランドの領土となる地を非ドイツ化し、「ポーランド人の」領土にしようとした。領土・民族問題の20世紀的解決なるものが想定できるとすれば、これはその極端な型の一つだったと言えはしまいか。本報告では、ポーランドで「回復領」と呼ばれた旧ドイツ東部領のポーランド化の諸相を検討し、同地がドイツ・ポーランドの現代史において担った意味について考察する。

  3. 多民族国家の解体と「ドイツ人」意識の変容 ―両次大戦間期ルーマニアにおけるユダヤ系およびドイツ系ドイツ語話者を事例に― 藤田 恭子 (東北大学教授)
    第一次世界大戦後にハプスブルク領からルーマニア領となった地域には、数多くのユダヤ系およびドイツ系ドイツ語話者が居住していた。「帝国民」であると同時にドイツ語を母語とする「ドイツ人」でもあるといった多民族国家時代の多重的自己意識は、国民国家内のマイノリティとなった後、共有不能となる。ドイツ政府による「在外ドイツ人」政策にも触れつつ、ドイツの外周地域の視点から、「ナショナル・アイデンティティ」をめぐる問題の一端を照射する。

  4. 領土と国籍・市民権−「ナショナルなもの」を考える 広渡 清吾(専修大学教授)
    近代国家は、「主権」を絶対的要素とし、主権の対象として、「領土と国民」を実在的与件とする。土地に対する支配は、通常その土地に住む人々に対する支配を含むが、近代において国家と国民の関係は、土地に対する支配とは独立に、観念的、抽象的な「保護と忠誠の関係」として次第に確立する。この関係を表現する制度が、国籍である。また、歴史をみると、戦争等に起因する領土の変更が、そこに住む人々の国籍の変更を産み出すことがある。他方で、国籍者は、その国のなかで完全な市民権を有するが、歴史的にも、概念的にも国籍と市民権は異なった機能を担う。これらの問題をドイツと日本に例をとりながら分析し、現代において「ナショナルなもの」を再検討する手掛かりをえたい。

  5. ヘルゴラント島と竹島/独島 ⎯ 日独比較の観点から ラインハルト・ツェルナー(ボン大学教授)
    Ausgehend von einem Vergleich der Ereignisse um die Rückgabe der Insel Helgoland und die Forderung nach Rückgabe der Inselfelsen Takeshima / Dokdo analysiert der Vortrag die historischen Positionen und Argumentationen der japanischen und koreanischen Seite. Er stellt die Frage, warum die interkulturelle Kommunikation in diesem Fall bislang gescheitert ist. Er setzt sich für eine Lösung ein, die der symbolischen und politischen Bedeutung dieser Inseln für die japanisch-koreanischen Beziehungen entspricht.(報告は日本語でおこなわれます。)
最初の2つは、第二次世界大戦後のドイツ・ポーランド国境が確定するまでの流れや、オーデル・ナイセ線以東で起きていたことを、それぞれドイツ側・ポーランド側から見ています。実は、そもそも(西)ドイツ側の主張も詳しく知らなかったのですが、ポーランドを専門とする方のお話がうかがえたのは、とても貴重な機会でした。今の日本の状況を見ていると、「そういう選択肢って、可能なのかな?」と思うような、オーデル・ナイセ以東の領土の放棄がなぜ行えたのかというのは、とても興味深い話でした。

そして、新たにポーランド領となった地域がどのようにポーランド化(並びに非ドイツ化)されたかという話は、やはり興味深いものでした。現代の日本では想像しにくいですが、ドイツ系だからと言って「自分はドイツ人だ」と主張する人たちばかりではなく、一方でその地にずっと住んでいたポーランド系の人々は「この地がポーランド領となったことは喜ばしい」と感じていた人ばかりでもないのです。帰属意識というのは、時代だけでなく、個人個人でも異なるものなのだと感じます。

さらに不勉強だったのですが、ドイツに追放された人々は、暴力的に住む場所を追われた人たちばかりではなく、終戦前に自発的にドイツ本国に戻った人々や、ポツダム協定に基づいて移住した人々もいたそうです。とは言え、第二次世界大戦で領土を広げた場所に移った人々が戻ってきた、というものではなく、先祖代々暮らしてきた土地を離れなければならなかった、というのは変わりませんが。

そして、このようなドイツ本国を離れた場所に住むドイツ系住民(ドイツ語話者)の状況を調べたのが、3番目の内容です。ハプスブルク領からルーマニア領となった地域の人々は、ドイツ人としての意識を持ち、連帯を意識していました。それと同時に、ジーベンビュルゲン(トランシルヴァニア)などの故郷への帰属意識もありました。

ですが、このような連帯も、ナチ党が権力を掌握するにつれ、ドイツ語話者でもユダヤ系の人々が排除されていきます。今もこのような地域にはごく少数のドイツ系住民(Siebenbürger Sachsenなど)が住んでいるようですが、今回のテーマではカバーしていないので、ドイツ国外に暮らすドイツ系住民の現状は分かりません。

ユダヤ人であっても自分はドイツ人だ、という意識はもちろんあったわけで、ドイツ人として第一次世界大戦に従軍した人もいました。アンネ・フランクの父オットー・フランクも、その1人でした。こういう帰属意識というのは、本人の意思に関係なく、時の権力者によって恣意的に解釈され、利用されてしまうものなのだなあと思います。

4番目の内容では、単純に「ドイツ民族=ドイツ国家の構成員」とはならなくなった、ということが分かりました。「ドイツ民族の国家」ではなく、「多様な民族からなる国家」へと転換しようとしているようです。ドイツに限らず、近代の「国民国家(Nation-state)」という概念は古いものとなり、新たな国家の形が模索されているのでしょう。日本はまだまだ、こういう段階には至らないなあと思います。

最後は、ドイツがどのようにしてヘルゴラント島をイギリスから復帰させたかを、日本と韓国の問題と比較していました。でもまあ、いろいろと条件が違うので、「こうすれば解決!」というものはないようです。

何人かの方が共通して言っていたのは、「国益とは何か。領土を守ることだけか。近隣諸国に自分たちが脅威だと思わせないことも国益となるのではないか」ということでした。これは実際、ドイツが行ってきたことですが……。この方法が日本と周辺国の間で通用するとは思えないのは、マスコミや周囲の意見に悪い影響を受けているからなのでしょうか。

このシンポジウムで登壇者が本当に伝えたいことから目をそらしている感じがするのは否定できませんが、学ぶことや考えるところの多い内容でした。

uriel_archangel at 09:53 | 講演会・展覧会 | 学び
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