講演会

April 11, 2017

* 真田丸発掘調査報告講演会(2017年3月12日)

ほぼ1か月前の話で、非常に記憶が怪しくなってきたのですが、「書かないよりはマシ」ということで書きます。

この報告会に行くためにわざわざ大阪に行ったのではなく、大阪旅行の期間中にちょうど開催されるということで、喜び勇んで行きました。会場で司会の方が、「東京、横浜、石川など、遠方からもいらっしゃって……」とおっしゃっていましたが、本当にタイミングが良くて行っただけです……。私たち家族のほかにも、東京からいらした人はいたかもしれませんが。

会場は、まさに「ここが真田丸の本体」と推定される大阪明星学園のホール(講堂)でした。日曜日でしたが部活動などで生徒たちが登校していました。学生服(学ラン)の金ボタンが6つか7つくらいあるのが印象的でした。

講演会は、以下の内容で行われました。
  • 第1部:映像で探る真田丸発掘ストーリー(NHK大阪放送局 制作部チーフ・ディレクター 伊藤敏司氏)
  • 第2部:史上初の学術調査に臨んで(大阪府教育庁 文化財保護課 参事 森屋直樹氏)
  • 第3部:真田丸の復元(奈良大学 文学部 教授 千田嘉博氏)
  • 講演者三者による鼎談
第1部は、歴史秘話ヒストリアのディレクターが、真田丸発掘にいたった経緯を、たくさんの映像資料を交えて説明していました。古代が得意分野だった伊藤氏は、戦国に自分の得意な発掘ものを持ち込もうと、城郭考古学がご専門の千田先生にご指導いただいたそうです。さすが大阪というか、お話し上手な方でした。

資料を調べて現地調査をしていくうちに、浅野文庫諸国古城之図にある「摂津 真田丸」の図が、従来は参考にならないと言われていましたが、現在の地形や寺の配置につながるところがあり、こちらが正しいのではないか、という結論に至ったそうです。これに千田先生が賛同し、従来の説とは異なる真田丸の姿を提案しました。

最初に番組で描いたCGは不完全なもので、より考証を重ねた結果が「真田丸」での姿になるようですが、実は真田丸は寺町の中に寺を利用して作られており、実際は市街戦だったのではないか、とのことです。「真田丸」ではロケの都合上市街を再現できないため、市街戦にはなりませんでした。

第2部は、真田丸発掘調査で、現地で責任者として指揮を取った(確か……)、大阪府教育庁の人でした。そんなわけで、資料もお話も、非常に真面目な内容でした。ここは、私が発表内容をきちんと理解していないので、申し訳ありませんがここで説明することができません。発掘で出土したもののほか、どのような地層になっていたかの説明がありました。

森屋氏としては、真田丸の手がかりとなるものが出てくればとは思ったものの、残念ながら決定的な決め手となるものはなかった、という感じでした(これはその後の鼎談での話です)。研究者として当然の姿勢だとは思いますが、そういう私情を排して事実のみを報告するのは、非常に誠実だと思いました。

第3部は、真田丸復元についての講演でした。説明に使われた図版は、当然ですが第1部とも重なるところがあります。いくつか伝わる真田丸を描いた絵図から、真田丸は大阪城惣構えとはつながっておらず、馬出しとして用いることは不可能だった、と結論付けられています。また、周辺は市街地化していたことも分かるそうです。

ここで興味深く感じたのは、終戦後に米軍が撮影した航空写真は、(空襲で)建物がほとんどないため、本来の地形を探る手がかりになるということです。また、浅野文庫諸国古城之図にある「摂津 真田丸」だけでなく、松江歴史館の極秘諸国城図にある「大坂 真田丸」は(後者は昨年発見された、ということでニュースになりました)、私が当初想像していたよりも正確に、真田丸の姿を書き写している、ということです。

これらの絵図で描かれている姿は、現在の町の姿にも残されており、結論だけを聞くと「どうして真田丸の場所は、今までここだと言われてこなかったのだろう」とさえ思います。それは私が美味しいところだけ食べている状態だからで、ここで導き出される結論は、科学的な現地調査や、各地に分散する文書の横断的な調査などが可能になった現代だからこそ得られるものなのでしょう。

鼎談も非常に興味深い内容でした。きちんと記録していないので、詳しく紹介はできませんが。千田先生への、「先生だったら真田丸をどう攻めるか」という質問に対するお答えは、大変面白いものでした。

とても充実した内容の講演会で、行ってよかった、としみじみ思いました。

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February 28, 2017

* トークイベント「英国ファンタジーの魅力を巡る旅」

偶然Facebookで見かけ、興味を引く内容だったので参加しました。行ってみて、「ああ、私はファンタジーにも児童文学にも詳しくない……」と思いましたが、それでも楽しめるお話でした。

奥田実紀さんは、「赤毛のアン」の世界にあこがれ、ワーキングホリデーでカナダのプリンスエドワード島に行き、そこから彼らのルーツである英国に興味を持ったそうです。

最初に書いたとおり、今回紹介された作家の作品をあまり読んでいないのですが、それでも「なるほどー」と思うことが多かったです。

児童文学というのは、ペローやグリムの童話から始まり(これらは童話というより民話の採録ですよね)、イギリスに入って子供向けの文学として花開きました。イギリスにはケルトの伝統があり、ファンタジー文学隆盛の素地があったそうです。確かに、妖精や魔法使いが出てくるお話が身近にあれば、そういう物語を自然に作りますよね。

そして、作家が暮らした環境が、そのまま物語の舞台になっていることも多いそうです。ビアトリクス・ポターは好例ですが、物語で庭のトピアリーが出てくる作家は、自宅の庭もトピアリーが素晴らしいそうです。

日本とは自然条件や建物の作りが違うので仕方ないのですが、イギリスは18世紀・19世紀の作家が見た・過ごしたであろう建物や光景が、変わらぬまま現代も見られるというのは素晴らしいですね。

3月10日に、同じ内容の講座が池袋コミュニティカレッジでも開催されるそうです(平日午後ですが)。
せっかくなので、書籍を購入してサインもいただきました。




「赤毛のアン」が好きなので、こちらも一緒に購入しました。




あと、このときお話を聞いて「読んでみよう」と思った本がこちらです。

時の旅人 (岩波少年文庫)
アリソン アトリー
岩波書店
2000-11-17



洋書のKindle版もあったのですが、うまくブログでのリンクが作成できませんでした(Amazonへのリンクはこちら)。

「旅の本屋のまど」は旅にまつわるさまざまな本(新刊・古書とも)がそろっています。ガイドブックだけでなく、その地域が詳しく分かる本がある、という感じです。自分の家の近くにあったら行くだろうなあ、という本屋さんでした。

実は西荻窪に初めて行ったのですが、商店街がいい感じで、「家に帰る前に立ち寄りたくなる店」が多いなあ、と思いました。

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February 22, 2017

* 講演「いのちを生きる子供たちのために:高大接続改革の展望」

「いのちを生きる子供たちのために:高大接続改革の展望」は、このシンポジウムの一部(基調講演)として行われたものです。現在話題となっている大学入試改革の根幹とも言える部分を考えた人の話ということで、関心を持って聴きましたよ〜。書かねば書かねばと思っているうちに、1か月が経過してしまいましたが。

聴いていて、以前大河内先生が講演で話していたことと、結構重なるところがあるなあ、と思いました。小学校・中学校で教える内容は変わってきていて、一方的に教師が壇上から教える従来の方法ではなく、主体的に/対話的に/深く学ぶ、というメソッドが広がっています。

でもこれは、何十年も変わらない大学受験では重視されない。これをなんとかするには、大学受験を変えるのが一番手っ取り早い、という話です。

実は時間不足で、手元にある資料の内容が十分に話されていたわけではないのですが、先生の話を聞き、資料を見る限りでは、本当に「もっともだなあ」と思います。

将来どうなるかは、私たちがこれまで過ごしてきた時代以上に不確実です。そうすると、重要なのは自分で将来を切りひらく力であり、それは今、小学校や中学校で教えられている内容(手法)と一致するのです。

「日本の未来を賭けた教育改革」というのは、恐らくそのとおりなのだろうと思います。ただ、「提言はその通りだと思うけれど、いろいろ経由して出てきたものが……」という感じになるそうで(これは講演会で出た話ではありません)、そこがもったいないなあと思います。

世界の流れを見ると、これまでのように詰め込んだ知識を競うのではない大学入試が求められているのでしょう。恐らく2020年を待たずとも、大学入試は変化を続けていると思います(変化のない大学もあるでしょうが……)。大学受験だけを見ず、周囲を取り巻く情勢の変化に敏感になることが大事だなあ、と思いました。

まとまっていませんが、こういう感じです。

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June 11, 2015

* 気になる講演会(プロジェクト京都2015 | 日本翻訳者協会)

10月3日(土)に開催されます。
丸一日のワークショップと対話型セッションをご用意しています。
さらに、プロジェクト京都2015の後は、JAT30周年記念祝賀パーティーも行われるそうなので、充実した1日が過ごせそうですね。

私も「これは参加してみたいかも!」と思い、どこに宿泊すればいいかな、というところまで調べましたよ。

でも、よくよくスケジュールを調べたら、この日は息子の学校関係で外せないイベントがありました(汗) 残念ながら、この日の参加は難しい状態です……。

この時期の京都は、観光シーズンということもあって宿の予約がしにくいそうなので、興味のある方は、今のうちに宿泊場所の確保をしたほうがいいと思います(東京から日帰りでの参加も可能だとは思いますが)。

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June 01, 2015

* 吉田研作先生&安河内哲也氏『TEAP and University Entrance Exams』@ASF

そんなわけで、短い休憩の後、同じ会場で引き続き行われたのはこちらです。
  • TEAP and University Entrance Exams
公式サイトでは「安河内哲也氏」の名前だけですが、実際はタイトルのとおり、吉田研作先生と安河内氏のお話でした。安河内氏は、歯切れの良いお話だけでなく、質問の挙手に対してフットワーク良くマイクを持って走ったりなど、下っ端感・使い走り感親しみやすさにあふれていました。

私も詳しくはないのですが、TEAPについてはこちらに書かれています。このサイトには、概要が書かれています。
TEAP(ティープ)とは、Test of English for Academic Purposesの略語で、上智大学と公益財団法人 日本英語検定協会が共同で開発した、大学で学習・研究する際に必要とされるアカデミックな場面での英語運用力(英語で資料や文献を読む、英語で講義を受ける、英語で意見を述べる、英語で文章を書くなど)をより正確に測定するテストです。
テスト形式は総合的な英語力を正確に把握することができるよう「読む」「聞く」「書く」「話す」の4技能で構成しています。
TEAPを採用する大学も増えてきているそうです。「話す」についても、きちんと複数の試験官が公正を期して評価しています。

「日本の高校生は、世界的に見ても英語ができない。授業内容を変えても、出口(大学入試)が変わらなければ大きな流れにならない」

というのが、有識者会議での話だそうです。で、私は誰とは言いませんが(笑)「4技能」「4技能」と連呼した人がいるので、無事に「4技能を問う」という流れになったそうです。

最近どこかでニュースになっていたのでうっすら記憶にあったのですが、文部科学省が2014年7〜9月に、国公立高校の3年生を対象に行った「英語力調査」の結果によると、対象者の8割ほどがCEFRでA1、英検に換算すると3級(中学卒業程度)レベルだったのだそうです。

文部科学省でPDFが見られますが、下記の記事にある程度まとめた内容が書かれています。そこで、国公立大学の入試でも、2020年までに英語については4技能を問うものに変わるであろう、ということです。私立大学は、TEAPを例として2020年以前から変わっていますが、恐らく変わらないところもあるでしょう、という話です。ただ、変わらない大学(=潮流に乗らない大学)を今後受験生が選ぶかどうかは「?」というところです。

当然ですが、上智大学で、しかも外国語学部英語学科という、外国語教育についてはいわゆる「意識高い系」が多い場なので、この流れには大いに賛成する人が多かったです。私もその立場です。ただ、地方だけとは限りませんが、新しいメソッドや情報が手に入れにくい環境にある人は、「取り残されるのではないか」という不安が多いだろうと思います。

「読む」「聞く」というpassiv(受動的)な能力は、塾などを活用できる環境になくても、独学で身に付けることができます。一方で「話す」「書く」能力はactive(能動的)なもので、現状では学校以外での指導サービスを受けられる人が圧倒的に有利です。これを独学で向上させる方法の発信も必要ではないかなあ、と思います。

時間制限がなければ、質疑応答なども盛り上がった講演会でした。最後に、4技能の重要性を訴えるために安河内氏がポケットマネーで作った"4 skills for Japan"という缶バッジをいただいてきました。

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「記念品にするのではなく、使って下さい」とのことなので、一番行動範囲の大きい息子の通学用バッグにつけてみましたよ。

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バッグを乱暴に扱うタイプではないのですぐに取れるということはないでしょうが、長い間くっついていてくれるといいなあ、と思います。

この後、息子と合流しました。あちこちの屋台で美味しいものを食べ、満腹&ご満悦でした。気仙沼ホルモン焼きそばとカレーうどんを食べたというので、「そりゃあ満腹になるでしょう」という話です(他にも食べていますよ……)。ちなみにこんな感じで、いろいろと食べ物がありました。

イグナチオ教会はミサのため見学不可だったので、そのまま帰宅しました。相変わらずinternationalな感じでした。ちなみに私のお昼ごはんは、アトレに入っているPAULのパンでした。これはこれで美味しいので満足です。

息子は、また来年もフードコートでいろいろと食べたいので行きたい、と言っています(笑) 私も、ちょっとだけでなく終日楽しみたいなあ、と思いました。そのためには時間&スケジュール管理が大切です。はい。

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May 31, 2015

* 吉田研作先生講演会"Language Acquisition−How You Learned Language as a Child"(言語習得入門特別編)@ASF

今年もASF(All Sophians' Festival)に行ってきました。残念ながら、私が仕事でバタバタしていたもので、「行くとしたら、これとこれだな」ということで、「楽しい1日を過ごす」ではなくピンポイントで参加しました。その1つがこちらです。
  • 『Language Acquisition−How You Learned Language as a Child』(吉田研作先生)
日本語に訳すと、「言語習得――子供のときにどのように言語を学んだか」というところでしょうか。SELDAA(英語学科同窓会)の企画のようです。学生の時は、こういう授業を取らなかったのですけれど。

ところで、公式サイト(Facebookではないほう)に講演に関する個別のページというものが見つからず、こういうところからリンクできずにいます。Facebookページでの紹介はこちらです(探しにくいのですよね〜)。

息子を連れて行こうか悩んだのですが、息子にとって興味のあるものかどうか分からないので、集合場所と時間を決めた後、お小遣いを渡してフードコート(メインストリートの屋台群)に放牧しました(笑)

吉田先生の講義『言語習得入門/INTRO. TO LANGUAGE ACQUISITION』の特別編ということで、恐らく1年近くかけて説明することを、45分くらいでささーっと流した、という感じでしょうか。

学生のときに講義を聞いて、どの程度納得できるかは分かりませんが、子供を育てた後でうかがうと、「なるほど〜」ということばかりでした。自分が出産するまで、小さい子に興味がほとんどなかったもので、こういう視点での講義にはまったく関心がありませんでした。

例えばですが、犬を見ても猫を見ても「わんわん」と呼ぶのは、「わんわん」の定義が大人が考える一般的なものと範囲が違う、ということです。コミュニケーションと言語と、どちらが先か? という話など、赤ちゃんからの子供の成長は、親として見ているときはそういう視点がなく気づきませんでしたが、言語学的にはとても興味深いことの連続なのだろうなあ、と思います。

そして講義のスタイルも、全編英語でしたが映像も豊富に使用していて、多少分からない単語があってもなんとなく分かる、という感じでした。息子は小さい子のかわいらしさが好きなので、小さい子がまさに「ばぶばぶ」と話している様子や、小さな双子の兄弟が大人には意味の分からない音声でコミュニケーションを取っている様子など、もしかしたら興味を持ったかなあ、とも思います。

「英語で英語の勉強をする」ではない講義だったので、体験させたかったなあ、とは思いますが、まあ仕方ないや、ということで。高校生対象の外国語学部での体験授業としても、いい感じでした。

そして引き続き、同じ会場での講演会に参加しました。そちらは後日。

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April 24, 2015

* 気になる講演会(立教大学異文化コミュニケーション学部連続講演会)

立教大学で行われます。

第一部は研究発表「字幕翻訳研究の今」、第二部は講演Afterthoughts on “For an Abusive Subtitling”です。
異文化コミュニケーション学部では、異言語・異文化間コミュニケーションの仲介行為としての通訳翻訳について、学部の専門領域の視点から理解を深めていくために、2015年度に連続講演会を開催する。この連続講演会を通して、現代社会における通訳者・翻訳者の役割を議論し、グローバル化や多言語多文化共生社会の可能性と課題を新たな視点で見直す機会を提供できると考える。
ということで、リンク先をご覧いただければ分かりますが、非常に興味深い内容です。

これは面白そうだなあ、とは思うのですが、今週は仕事をぎゅぎゅっと入れてしまったので、時間が取れるかどうか分からない状況です(汗)

いちおう、あきらめないつもりでスケジュール帳には書いておいてはみたのですが……。

私の場合、ブログに書くというのは「他人に読んでもらおう」というより「自分のためのまとめ」という側面が大きいので、やはり毎日書かなきゃいけないなあ、と思いました。

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June 30, 2013

* シンポジウム「領土とナショナリティー」(第29回 日本ドイツ学会総会・シンポジウム)

お昼を挟んで、午後の部です。
  1. 領土と国益——ドイツ東方国境紛争から日本を展望する 佐藤成基(法政大学教授)
    第二次大戦でオーデル=ナイセ線以東の領土を失ったドイツは、戦後東方国境をめぐってポーランドとの間に紛争が発生した。しかしその紛争は、ドイツの全面的な領土の放棄という形で最終的な解決をみた。これは20世紀の国境紛争史のなかでは特異な例である。なぜそのようなことが可能だったのだろか。また、この紛争解決の経緯は、現在日本が抱える領土問題にとって何らかの指針となるのか。本報告ではこれらの問題について考えてみたい。

  2. 失われた東部領/回復された西部領――ドイツ・ポーランドの領土とオーデル・ナイセ国境 吉岡 潤(津田塾大学准教授)
    第二次世界大戦の結果、ポーランドはドイツから領土を獲得する。戦後政権は新たにポーランドの領土となる地を非ドイツ化し、「ポーランド人の」領土にしようとした。領土・民族問題の20世紀的解決なるものが想定できるとすれば、これはその極端な型の一つだったと言えはしまいか。本報告では、ポーランドで「回復領」と呼ばれた旧ドイツ東部領のポーランド化の諸相を検討し、同地がドイツ・ポーランドの現代史において担った意味について考察する。

  3. 多民族国家の解体と「ドイツ人」意識の変容 ―両次大戦間期ルーマニアにおけるユダヤ系およびドイツ系ドイツ語話者を事例に― 藤田 恭子 (東北大学教授)
    第一次世界大戦後にハプスブルク領からルーマニア領となった地域には、数多くのユダヤ系およびドイツ系ドイツ語話者が居住していた。「帝国民」であると同時にドイツ語を母語とする「ドイツ人」でもあるといった多民族国家時代の多重的自己意識は、国民国家内のマイノリティとなった後、共有不能となる。ドイツ政府による「在外ドイツ人」政策にも触れつつ、ドイツの外周地域の視点から、「ナショナル・アイデンティティ」をめぐる問題の一端を照射する。

  4. 領土と国籍・市民権−「ナショナルなもの」を考える 広渡 清吾(専修大学教授)
    近代国家は、「主権」を絶対的要素とし、主権の対象として、「領土と国民」を実在的与件とする。土地に対する支配は、通常その土地に住む人々に対する支配を含むが、近代において国家と国民の関係は、土地に対する支配とは独立に、観念的、抽象的な「保護と忠誠の関係」として次第に確立する。この関係を表現する制度が、国籍である。また、歴史をみると、戦争等に起因する領土の変更が、そこに住む人々の国籍の変更を産み出すことがある。他方で、国籍者は、その国のなかで完全な市民権を有するが、歴史的にも、概念的にも国籍と市民権は異なった機能を担う。これらの問題をドイツと日本に例をとりながら分析し、現代において「ナショナルなもの」を再検討する手掛かりをえたい。

  5. ヘルゴラント島と竹島/独島 ⎯ 日独比較の観点から ラインハルト・ツェルナー(ボン大学教授)
    Ausgehend von einem Vergleich der Ereignisse um die Rückgabe der Insel Helgoland und die Forderung nach Rückgabe der Inselfelsen Takeshima / Dokdo analysiert der Vortrag die historischen Positionen und Argumentationen der japanischen und koreanischen Seite. Er stellt die Frage, warum die interkulturelle Kommunikation in diesem Fall bislang gescheitert ist. Er setzt sich für eine Lösung ein, die der symbolischen und politischen Bedeutung dieser Inseln für die japanisch-koreanischen Beziehungen entspricht.(報告は日本語でおこなわれます。)
最初の2つは、第二次世界大戦後のドイツ・ポーランド国境が確定するまでの流れや、オーデル・ナイセ線以東で起きていたことを、それぞれドイツ側・ポーランド側から見ています。実は、そもそも(西)ドイツ側の主張も詳しく知らなかったのですが、ポーランドを専門とする方のお話がうかがえたのは、とても貴重な機会でした。今の日本の状況を見ていると、「そういう選択肢って、可能なのかな?」と思うような、オーデル・ナイセ以東の領土の放棄がなぜ行えたのかというのは、とても興味深い話でした。

そして、新たにポーランド領となった地域がどのようにポーランド化(並びに非ドイツ化)されたかという話は、やはり興味深いものでした。現代の日本では想像しにくいですが、ドイツ系だからと言って「自分はドイツ人だ」と主張する人たちばかりではなく、一方でその地にずっと住んでいたポーランド系の人々は「この地がポーランド領となったことは喜ばしい」と感じていた人ばかりでもないのです。帰属意識というのは、時代だけでなく、個人個人でも異なるものなのだと感じます。

さらに不勉強だったのですが、ドイツに追放された人々は、暴力的に住む場所を追われた人たちばかりではなく、終戦前に自発的にドイツ本国に戻った人々や、ポツダム協定に基づいて移住した人々もいたそうです。とは言え、第二次世界大戦で領土を広げた場所に移った人々が戻ってきた、というものではなく、先祖代々暮らしてきた土地を離れなければならなかった、というのは変わりませんが。

そして、このようなドイツ本国を離れた場所に住むドイツ系住民(ドイツ語話者)の状況を調べたのが、3番目の内容です。ハプスブルク領からルーマニア領となった地域の人々は、ドイツ人としての意識を持ち、連帯を意識していました。それと同時に、ジーベンビュルゲン(トランシルヴァニア)などの故郷への帰属意識もありました。

ですが、このような連帯も、ナチ党が権力を掌握するにつれ、ドイツ語話者でもユダヤ系の人々が排除されていきます。今もこのような地域にはごく少数のドイツ系住民(Siebenbürger Sachsenなど)が住んでいるようですが、今回のテーマではカバーしていないので、ドイツ国外に暮らすドイツ系住民の現状は分かりません。

ユダヤ人であっても自分はドイツ人だ、という意識はもちろんあったわけで、ドイツ人として第一次世界大戦に従軍した人もいました。アンネ・フランクの父オットー・フランクも、その1人でした。こういう帰属意識というのは、本人の意思に関係なく、時の権力者によって恣意的に解釈され、利用されてしまうものなのだなあと思います。

4番目の内容では、単純に「ドイツ民族=ドイツ国家の構成員」とはならなくなった、ということが分かりました。「ドイツ民族の国家」ではなく、「多様な民族からなる国家」へと転換しようとしているようです。ドイツに限らず、近代の「国民国家(Nation-state)」という概念は古いものとなり、新たな国家の形が模索されているのでしょう。日本はまだまだ、こういう段階には至らないなあと思います。

最後は、ドイツがどのようにしてヘルゴラント島をイギリスから復帰させたかを、日本と韓国の問題と比較していました。でもまあ、いろいろと条件が違うので、「こうすれば解決!」というものはないようです。

何人かの方が共通して言っていたのは、「国益とは何か。領土を守ることだけか。近隣諸国に自分たちが脅威だと思わせないことも国益となるのではないか」ということでした。これは実際、ドイツが行ってきたことですが……。この方法が日本と周辺国の間で通用するとは思えないのは、マスコミや周囲の意見に悪い影響を受けているからなのでしょうか。

このシンポジウムで登壇者が本当に伝えたいことから目をそらしている感じがするのは否定できませんが、学ぶことや考えるところの多い内容でした。

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June 29, 2013

* フォーラム・台所は誰のものか?−−『ナチスのキッチン』が切り拓く地平(第29回 日本ドイツ学会総会・シンポジウム)

――1週間前の話なのですが、ようやくまとめて書いています。とは言っても、内容が盛りだくさんなので、2度に分けて書こうかと。前回も書きましたが、日本ドイツ学会のホームページはこちらです。

午前のフォーラムは、タイトルのものを選びました。午後のシンポジウムに比べれば、開催時間は2時間と短いものでしたが、凝縮した内容のものでした。
  1. 『ナチスのキッチン』前後 藤原辰史 (京都大学准教授)
    『ナチスのキッチン』は、近代ドイツの台所の合理化過程を、建築、台所道具、家政学、レシピなど、さまざまな観点から論じたものである。この概略を説明したあと、今後の課題と展望について、これまでの書評を参考にしながら考えたい。
  2. 日本女性史におけるドイツのキュッヘ 北川圭子(北海道工業大学客員教授)
    戦後,建築家たちは挙って民主的住宅を模索し、台所空間の改革を提案した。その先鋒が浜口ミホである。ミホは、その範をドイツのWohn Kucheに求めた。DKと命名されたこの空間は、若い世代の人気の的となり、わが国の住生活を一変させ,延いては女性の地位向上の象徴となった。また、住空間に生活最小限住宅追究という科学的視点も 導入させた。しかし,DK のルーツがWohn Kucheであることは歴史の闇に埋もれた。
  3. 戦時下日本とドイツの花嫁学校研究 - 日本の新聞・雑誌の記事を中心として 伊藤 めぐみ(早稲田大学 東洋英和女学院大学非常勤講師)
    ‘本において、1930年代に入り設立されていく花嫁学校の展開過程と特質を三期に分けて報告する。▲疋ぅ弔硫峅燃惺擦よび母親学校の概要を当時日本で出された新聞・雑誌の記事を中心に報告するとともにそれらの記事から、上記の機関が当時どのような関心を持たれ、受け止められていたのかを考察したい。
実はこの『ナチスのキッチン』そのものについては未読の状態で行ったのですが、それでも非常に興味深い内容でした。「『ナチスのキッチン』前後」では、このフォーラムの導入という感じで、出版後の反響やそこから見えてきた課題について、説明していました。これだけ話題になるということは、それだけ切り口が斬新だったのだろうなあ、と思います(未読なものでこの程度の感想ですみません)。書籍が購入できるコーナーもあってので、もしかしたら「著者のサイン入り」にできたのかもしれませんが、財政能力が欠けているため断念しました。がくり。

以降は、ドイツ以外の専門分野の研究者が、『ナチスのキッチン』と関連する内容の発表をします。

次は、「日本女性史におけるドイツのキュッヘ」です。戦後の公団住宅におけるDK(ダイニングキッチン)の誕生に、日本の女性建築家第一号の浜口ミホが大きくかかわっており、彼女の発想のルーツはドイツのWohnkücheにあったということでした。戦前の建築家の視線は上流社会に向かっていました。庶民の住宅への関心は低かったため、「生活最小限住宅」という発想が顧みられることはなかったようです。戦後に建築や女性を取り巻く状況が変化し、庶民の住宅に変化がもたらされたそうです。

ダイニング・キッチンはこうして誕生した―女性建築家第一号浜口ミホが目指したもの (はなしシリーズ)ダイニング・キッチンはこうして誕生した―女性建築家第一号浜口ミホが目指したもの (はなしシリーズ) [単行本]
著者:北川 圭子
出版:技報堂出版
(2002-01)

スピーカーの著書なのですが、お話をうかがった後だと、とても気になります。

その次が、「戦時下日本とドイツの花嫁学校研究 - 日本の新聞・雑誌の記事を中心として」です。高等女学校を初めとする女子教育機関が、良妻賢母教育に十分な効果をあげていないということで、「花嫁養成を直接目的とする」1932年に設立された「御茶の水女子家庭寮」が、いわゆる「花嫁学校」の嚆矢だそうです。そして、日本の花嫁学校を参考に、当時のドイツでも花嫁学校や母親学校というような組織が作られたらしい、ということでした。本当に影響を受けていたのかは分からないのですが、同じ時期に同じような目的で、教育機関が作られています。

でも、日本とドイツで、別々の形で展開していくところがとても興味深く感じられました。ドイツでは労働者の多い地区に最初に作られ、親衛隊員と結婚するには党の花嫁学校を卒業しなければならないくらいだったそうです。一方で、勤労動員が必要になった日本では、都市部の花嫁学校は不要不急のものとしてとらえられるようになり、閉鎖された学校もあったようです。この種の学校は、ドイツでは社会福祉の面が強く、日本では「余裕のある家庭の娘の習い事」という感じになったように思います。

日本とドイツの比較というより、「今も昔も、どうして日本だと目標から離れたところに着地するのだろう」というのが、とても印象的な内容でした。そして、女性手帳を花嫁学校と同じと批判する人たちがそう感じる理由が、はっきりと、とは言えませんが、根っこにあるものが同じなのだろうなあ、というのはぼんやりと感じられました。

ほどよく記憶が薄れているので詳しくは書けませんでしたが(そもそも有料で参加するものなので、ここにあれこれ書くわけにもいきません)、非常に興味深いものでした。

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June 20, 2013

* 日本ドイツ学会総会・シンポジウムのテーマが気になります

偶然見かけたポスターに気になるテーマが書かれていたので、帰宅後に検索して見つけました。昔だったら、ポスターの内容をメモして……となったのでしょうね。便利な世の中になりました。
第29回 日本ドイツ学会総会・シンポジウム「領土とナショナリティー 」(日本ドイツ学会のサイトはこちら
開催日:
2013年6月22日(土)
会場:
お茶の水女子大学 共通講義棟2号館
参加費:
一般 1000円 学生 500円、 日本ドイツ学会会員 無料
当日受付可。 どなたでもご参加いただけます。
このタイトルだけでも気になって検索してみたのですが、それ以外も魅力的な内容でした。午前はフォーラム、午後はシンポジウムという構成です。
フォーラム
  1. 台所は誰のものか?−−『ナチスのキッチン』が切り拓く地平
  2. ポスト脱原発を展望する――原子力施設拒絶地域/立地地域の「その後」から
午前のフォーラムは、1のほうが気になります。『ナチスのキッチン』の内容にとどまらず、当時のドイツや日本の女性が置かれた立場を考えるものになっています。そして午後のシンポジウムは、このような内容です。正しい書き方かは分かりませんが、午前のフォーラムも、発表者は省略しました。
シンポジウム 「領土とナショナリティー」
  1. 領土と国益——ドイツ東方国境紛争から日本を展望する
  2. 失われた東部領/回復された西部領――ドイツ・ポーランドの領土とオーデル・ナイセ国境
  3. 多民族国家の解体と「ドイツ人」意識の変容 ―両次大戦間期ルーマニアにおけるユダヤ系およびドイツ系ドイツ語話者を事例に―
  4. 領土と国籍・市民権−「ナショナルなもの」を考える
  5. ヘルゴラント島と竹島/独島 ⎯ 日独比較の観点から
実は中世好きな私は、学生時代に近現代のドイツには積極的には触れてきませんでした。でも仕事で第二次世界大戦がらみのものは避けられず、こういう分野にも関心を持つようになりました。

そんなわけで、会場に出没しているかもしれません。

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